English Page
拘束贈与 投稿者:Max 投稿日:2006/04/05(Wed) 07:53:00 No.5802
拘束贈与に関しては、負債として認識するのではなくTemporarily Restrictedとして収入として認識できると
どこかで読みました。本当でしょうか?米国と日本とでは事情は違ってくるのでしょうか?
教えてください。参考 SFAS Nos.116 & 117
Re: 拘束贈与 投稿者:公認会計士 岩永清滋 投稿日:2006/04/10(Mon) 09:51:00 No.5803
Maxさん
> 拘束贈与に関しては、負債として認識するのではなくTemporarily Restrictedとして
収入として認識できるとどこかで読みました。本当でしょうか?米国と日本とでは事情
は違ってくるのでしょうか?
> 教えてください。参考 SFAS Nos.116 & 117

ご質問の趣旨は、シーズが昨年発表した「NPO法人の外部報告に関する基本的考え方」
に対するものでしょうか。
それなら本来この報告書の委員でもある赤塚さんからお答えする方がいいのかもしれませんが、
「報告書」の前文にも書いている(3ページ)ように、この報告書はFASBの会計基準と
違う点があります。そこに理由も書いてあります。

 私自身は少し違う考え方を持っているのですが、とにかく「米国と日本とでは事情
は違ってくるのでしょうか?」とかの問題だけではなく、NPOのアカウンタビリチィ
に関する根本的な問題提起と考えて下さい。現在唯一無二の関係基準が存在するわけ
ではなく、だからこそ問題提起の意味があるので、Maxさんもご自身で考えて
みて下さい。
Re: 拘束贈与 投稿者:Max 投稿日:2006/04/14(Fri) 00:05:00 No.5804
岩永先生

ご返答有難うございました。
私は現在米国でNPO団体(法人)に関わっております。私自身、勉強中なのですが、日本のNPO法と
米国の其れ(州法)は異なる点も多いと考えております。拘束贈与をどう表示するかの問題は、NPOのAccoutability、
究極的にはGovernanceのあり方にかかってくると思います。日本のNPO法は社員総会を最高意思決定機関としていますが、
米国(州法)は、会員=Member(社員に該当)を組織(governace right and responsibility)に組み入れるかどうかは自由で
多くの組織がMemberを持っておりません。この場合、理事(trustee and Officer)は自己永続型となるようです。

さて、拘束贈与の取り扱いですが会計(FASB)、税務(IRS)ともに収入として報告する事が求められております。
Restricted(拘束資金)として収入経理した部分も、使用する際には非拘束に振替えるわけで、前受収益とすこし似ていますが
貰った時に収益として認識する点が異なります。

米国で負債としない理由としては次の理由が考えられます。(愚見)
1.Donorがimposedした贈与はその通りに使うことが予定されるので返済はありえない。
2.税務上も支出時の損金と出来る。
3.内部監査機関(Audit Committee)が理事と独立していない。

岩永先生は本件に関して、赤塚先生と「少し違う考え方」をお持ちとのことですが、差し支えない範囲でご教示ください。
Re: 拘束贈与 投稿者:Max 投稿日:2006/04/14(Fri) 00:27:00 No.5805
3.内部監査機関(Audit Committee)が理事と独立していない。

説明不足でしたがInternal Controlが弱いので、前受収益としないほうが、チェックしやすい。のでは?
という意味で書きました。
Re: 拘束贈与 投稿者:公認会計士 岩永清滋 投稿日:2006/04/15(Sat) 12:18:00 No.5806
Maxさん、岩永です。

拘束贈与についてはいろんな議論があります。
アメリカでは
①寄附文化が我が国とは異なること
②営利企業と非営利企業の会計基準を統一的に考える傾向にあること
③営利企業では株主資本を中心とした会計基準になっていること
④何よりこの会計問題について長い歴史があること
などの要因があり、すぐさま我が国に適用できない一面もあります。

我が国でもいろんな考え方があります。非営利の会計基準でも
「公益法人会計基準」「社会福祉法人会計基準」「学校法人会計基準」などがあり、
それぞれ考え方が違っています。
拘束贈与を負債とする考え方は、独立行政法人の会計基準にみられます。

以上のようなことですから、シーズの外部報告の提案を再度読み返していただくとともに
上記の他の会計基準もあわせて勉強してみて下さい。

私個人の意見ですが、この質問箱でやりとりするには似つかわしくないと思います。
シーズの外部報告はまだ中間整理であり、現在継続して意見を求めていますので、
ぜひそちらにMaxさんのご意見をお出し下さい。そちらの方でまた痔論をたたかわ
せればと思っています。

- WebForum -