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定款変更と解散手続きについて 投稿者:山田一郎 投稿日:2006/07/12(Wed) 17:35:00 No.6189
こんにちは。

私は、東京都内のとあるNPO法人の事務局に勤務しているものです。
今回、2点程お聞きしたいことがあるのですが。
まず、1点目は、NPO法25条の「定款の変更」についてです。
定款の変更をするためには、社員総会の議決を経て所轄庁
(私どもは内閣府)の認証を経なければいけないということだと
思うのですが、その際、社員総会の議決を得ても所轄庁の認証
が得られなかったという事態が生じた場合、定款変更が1年間
遅れてしまうなどといったことが考えられます。
ですから、そのような場合を避けるため所轄庁である内閣府に
事前(社員総会の前)に相談して認証を得られるかどうかを確
認することが出来るでしょうか?
これは、行政手続法5条から行政庁が「審査基準」を明らかに
しなければいけないとしていることからも、出来るのではないか
と考えるのですがどうでしょうか。
次に、2点目は、NPO法32条の「残余財産の帰属」についてです。
32条2項において「清算人は、・・・譲渡できる。」となってい
ますが、この「譲渡」は有償譲渡を含みますか?
おそらく、文言上からは、無償譲渡、つまり、寄付と読めるので
すがどうでしょうか。
仮に、有償譲渡を含まないと解釈する場合その根拠なども教えて
いただけるとうれしいのですが。

よろしくお願いします。
Re: 定款変更と解散手続きについて 投稿者:弁護士 浅野晋 投稿日:2006/07/16(Sun) 09:32:00 No.6190
山田一郎 さん

1、定款変更について所轄庁の認証が得られるかどうかについて、所轄庁に事前に相談して、その「感触」を得ることはできると思います。
  なお、個別事案についての所轄庁の見解は「審査基準」ではありません。


2、解散後の「清算」をするについて、清算人はまず資産の中から負債を弁済いたします。
その後に残った資産が「残余財産」です。その「残余財産」を更に有償譲渡して、現金化することはもちろん可能です。そしてその現金も「残余財産」です。

3、NPO法32条2項にいう「譲渡」は、最終的に残余財産を帰属させる時の「譲渡」のことですから、無償譲渡のことであると解されます。

4、しかし、残余財産を最終的に帰属させる前に、有償譲渡して現金化することは自由です。残余財産はNPO法32条により、その帰属先が定められていますが、残余財産といっても不動産や動産などをもらってもその管理に困ることがあります。そこで、現金化してその現金を帰属させるということができるわけです。
このように有償譲渡できることについて法令上の定めはありませんが、清算行為として当然のことです。

                      弁護士 浅野晋
Re: 定款変更と解散手続きについて 投稿者:山田一郎 投稿日:2006/07/18(Tue) 10:48:00 No.6191
浅野晋様

お疲れ様です。
大変丁寧に分かりやすいご回答を頂き感激です。
ありがとうございました。

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