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理事長への給与 投稿者:理事 投稿日:2006/08/01(Tue) 14:21:00 No.6234
初歩的な質問で申し訳ありませんが、ご回答いただければ幸いです。
理事が職員と同じように働いた場合、理事への労務の対価としての給与の支払ですが、
その対象が理事長の場合であっても可能なのでしょうか。
理事長に対しても他の理事同様、労務の対価として給与の支払ができるという意見と、
理事長だけは、給料として支払ができないという意見を聞きます。
どう考えれば宜しいのでしょう。
よろしくお願い致します。
Re: 理事長への給与 投稿者:脇坂 誠也 投稿日:2006/08/02(Wed) 09:41:00 No.6235
理事さん、こんにちは。

> 理事が職員と同じように働いた場合、理事への労務の対価としての給与の支払ですが、
> その対象が理事長の場合であっても可能なのでしょうか。

まず、NPO法上ですが、「役員のうち報酬を受ける者の数が役員総数の3分の1以下であること」が要件とされています。この場合の「役員としての報酬を受ける者」は「役員のうちでその職務に対して(つまり役員としての仕事に対して)報酬を受ける者」と読む(NPO法コンメンタール)とされています。つまり、理事長であっても、労務の対価として他の従業員と同じ基準で支払われる賃金は役員報酬とはされないということです。その上で、役員という仕事に対する報酬を受けた人が3分の1以下であるという要件を満たせばよい(つまり、労働の対価として賃金を受ける役員が何人いても、3分の1要件には関係がない)とされています。
一方で、法人税法には、役員報酬をこのようにわける考えはありません。特に理事長に関する報酬は、仮に従業員と同じ基準で労働の対価としてNPOが支払っているとしても、法人税法上は、理事長に対する報酬は、委任契約に基づく報酬であるので、労働の対価が含まれているとは考えません。従って、法人税法上では役員に対する支払は全額役員報酬となります。これがどのような影響を与えるかというと、一番大きいのが賞与を支払ったときです。理事長に対して他の職員と同じ基準で賞与を支払っても、それは役員という業務対する賞与であると考えて、役員賞与となり、原則として損金(法人税法上の経費)になりません(例外として、18年の税制改正で事前に税務署に届出をした賞与は損金として認めることになりました)

> 理事長に対しても他の理事同様、労務の対価として給与の支払ができるという意見

これはNPO法を念頭に置いた意見と思われます

> 理事長だけは、給料として支払ができないという意見を聞きます。

これは法人税法を念頭に置いた意見であると思われます。
Re: 理事長への給与 投稿者:理事 投稿日:2006/08/02(Wed) 17:26:00 No.6236
脇坂様

お忙しい中、申し訳ありません。
なるほど、そういうことだったのですね。
非常に初歩的な質問に詳しく回答頂き、有難うございました。

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