NPOWEB

はじめましてコウと申します。
小学校や中学校の教職員のNPO活動参加についてお尋ねします。
過去の質問にあった公務員のケースとほぼ同じだとは思うのですが、念のために質問させて頂ければと思います。
教職員がNPOの役員、代表理事に就任することについてですが、そのNPOは「その他の営利活動」をする予定はありません。
また、その役員である教職員が報酬を貰う事もありません。
これだけなら何も問題が無いと思うのですが、非営利活動の中に講演会や野外活動などがあり、参加費を頂くことになります。
最終的には、収支は若干黒字になる程度の予定ですが、ほぼプラスマイナス0の予定です。
（もし、利益があった場合、当然ですが翌年度の非営利活動のまわす予定です。）
しかし、一時的にせよ参加費等の収入があり、しかも教職員が代表理事であることから、一時的には組織の代表である代表理事の教職員に副収入がある形になり、法律上問題があるのではないかという声があります。
私なりに調べた限りでは、収入があってもあくまでNPOのものであり、その代表一個人のものとは見なされないのでは・・・と思っていますが、詳しくは分かりません。
こういうケースは法律上問題があるのでしょうか？
お答え頂ければ幸いです。

コウ　さん


（質問）
「しかし、一時的にせよ参加費等の収入があり、しかも教職員が代表理事であることから、一時的には組織の代表である代表理事の教職員に副収入がある形になり、法律上問題があるのではないかという声があります。
私なりに調べた限りでは、収入があってもあくまでNPOのものであり、その代表一個人のものとは見なされないのでは・・・と思っていますが、詳しくは分かりません。
こういうケースは法律上問題があるのでしょうか？」

　　→（回答）「収入があってもあくまでNPOのものであり、その代表一個人のものとは見なされ」ません。これは、例えば株式会社の収入が、社長個人の収入とはみなされないのと同じです。それが「法人制度」というものです。
　　　すなわち、法人はその法人の業務を執行する執行機関（例えば、株式会社の代表取締役や、ＮＰＯ法人の理事など）とは独立した法的権利義務の主体であり、法人の権利義務がそのまま代表者の権利義務とはなりません。
　　　従って、ご質問のケースについては、法律上はまったく問題はありません。

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　弁護士　浅野晋

浅野様

回答ありがとうございました。
やはり問題は無いようで安心いたしました。

念のために関連する質問させて頂いてもよろしいでしょうか。
前述のNPOが収益事業も行う場合も同様に問題は無いでしょうか？
収益事業があろうと無かろうと、法人であるかぎりは同じだと思うのですが・・・

教職員がNPOの運営に関わることにあれこれ言って来る人たちに、問題が無いことを法的な根拠で示したいのですが、法律のどの箇所になりますでしょうか？
法律の専門的な知識は無いのですが、もし参考になる箇所があれば教えて頂ければたいへんありがたいです。

コウ　さん

（質問）
　「前述のNPOが収益事業も行う場合も同様に問題は無いでしょうか？収益事業があろうと無かろうと、法人であるかぎりは同じだと思うのですが・・・
　　教職員がNPOの運営に関わることにあれこれ言って来る人たちに、問題が無いことを法的な根拠で示したいのですが、法律のどの箇所になりますでしょうか？」



（回答）
　　・そうです。収益事業があろうがなかろうが、同じです。問題ありません。

　　・ただ、そのことは法律の条文には書かれておりません。法人というものの法律的性質から当然にそのように解釈されるものです。

　　　このような法人制度については、民法の「総則」という部分の教科書の「法人」の項目に記載されていますので、図書館ででも借りて読んでみてください。我妻栄という学者が書いた「民法総則」（岩波書店）がお薦めです。法人制度は、社会の重要な制度ですから、この制度がどのような考え方に基づいているかがわかると、今まで見えなかったものが見えるような気がすると思います。（私の場合そうでした。）
　　　　
　　　この本でしっかり「理論武装」をしておくと、「矢でも鉄砲でも持ってこい！」というおおらかな気分になるかもしれません。

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　弁護士　浅野晋

浅野様

回答ありがとうございます。
薦めて頂いた箇所を参考にして理解を深めようと思います。
お忙しい中、本当にありがとうございました。