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特定非営利活動の定義について 投稿者:けんじ 投稿日:2001/11/22(Thu) 17:16:00 No.650
NPO法第2条第2項第2号で、特定非営利活動の定義について、
 イ 宗教の教義を広め、儀式行事を行い、「及び」信者を教化育成することを主たる目的とするものでないこと。
 ロ 政治上の主義を推進し、支持し、「又は」これに反対することを主たる目的とするものでないこと。
 ハ 特定の公職(略)の候補者(略)若しくは公職にある者又は政党を推薦し、支持し、「又は」これらに反対することを目的とするものでないこと。
と、「及び」と「又は」を用いていますが、それは、
イについては、A、B、Cすべてが重なった宗教活動は認められない。
ロについては、A、B、Cのいずれかであっても、政治活動は認められない。
ハについては、A、B、Cのいずれかであっても、選挙活動は認められない。
という意味でしょうか。読み方を教えてください。
もし、そうだとしたら、宗教活動についても、「又は」を用いるべきのような気がしてしかたがありません。
Re: 特定非営利活動の定義について 投稿者:シーズ・轟木 洋子 投稿日:2001/11/26(Mon) 17:45:00 No.651
けんじさん、

いつもご投稿ありがとうございます。

「又は」と「及び」の違いについてですが、これはなかなか難しい問題のようです。
林修三氏の「法令用語の常識」(日本評論社)には、以下のように書かれています。

「『又は』は選択的接続詞、『及び』が併合的接続詞で、はっきり意味が違うから、
そのどちらを使うかということについて、『又は』と『若しくは』の場合のように
迷うことはないはずだということが一応考えられようが、実際の立法にあたってみ
ると、はたしてそのどちらを使ったらよいか、考えさせられることがすこぶる多い」

つまり、法文を書いている人も悩むことが多いようです。さらに、林氏は次のよう
に続けています。

「AもBも、Cのことをしてはならない、という場合に『A及びB』と書くか、
『A又はB』と書くかという問題がある。この場合は結局語感によってきめるほか
ないが、AとBを抽象的、包括的にとらえようとする場合は、『A又はBは、Cの
ことをしてはならない』とはせずに、『A及びBは、Cのことをしてはならない』
というようにする方の例が多い」

また、次のようにも書いています。
「・・・『又は』と『及び』の使い方は、結局は、語感とその場合場合に表現しよ
うとする規定の趣旨とをかみあわせて考えるほかなく、・・・確立した用例になっ
ているわけではない」

というように、語感や趣旨とのかみあわせで使われており、確立した用例ではない
ということですから、けんじさんのお悩みになったのもわかります。

イについては、つまり「宗教の教義を広めること」も、「儀式行事を行うこと」も、
「信者を教化育成すること」も、主たる目的としてはならない、ということです。
この場合、「及び」は「かつ」と同じだと解釈されます。

なお、このイの部分は、宗教法人法第2条の宗教団体の定義「宗教の教義を広め、
儀式行事を行い、及び信者を教化育成すること」から引用されてきたものです。
よって、基本的な解釈は、この定義に従うことになります。

より詳しく法令用語を調べたいという場合は、上記の「法令用語の常識」をお求め
になることをおすすめいたします。

シーズ事務局・轟木 洋子

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