法人成立後の届け出 投稿者:
鈴木 投稿日:2001/12/01(Sat) 18:24:00
No.660
まもなく認証が降りる予定です。それで、その後の届出書類について教えて頂きたいのですが、
「従業員は雇わずに、報酬や給与を受ける者がいない」場合は、税金関係の届出だけでよろしかった
でしょうか?社会保険や労働保険関係は、届け出の必要はない、と思ってますがそれでいいでしょうか?
初歩的な質問ですいません。よろしくお願い致します。
Re: 法人成立後の届け出 投稿者:
シーズ・小坂/轟木 投稿日:2001/12/04(Tue) 17:11:00
No.661
鈴木さん、
ご投稿ありがとうございます。
まず、認証されたら、その認証書類が届いてから2週間以内に、主たる事務所の所在地を
管轄する法務局で設立登記の手続きをします。この登記が終ると、法人の設立が成立しま
す。
なお、従たる事務所がある場合は、その従たる事務所の所在地を管轄する法務局でも、設
立登記をしてから2週間以内に登記します。
登記する事項は次の項目です。
(1)法人の目的と業務(定款に書いた目的と事業のことです)
(2)名称
(3)事務所の所在地
(4)代表権を有する者の氏名と住所及び資格(理事全員の氏名と住所のことです)
(5)存立時期又は解散事由を定めたときは、その時期又は事由
(6)資産の総額
この登記のためには次の登記申請書と必要書類を準備します。また、これらの他にも、同
時に法人の印鑑登録をする時には、代表者の印鑑証明書などの添付書類が必要なことがあ
りますから、必要部数なども含めて、予め管轄の法務局に問い合わせておいた方が良いと
思います。
(登記と同時に印鑑登録をしておくと便利ですので、この時までに印鑑を作っておかれる
と良いと思われます)
(ア)登記申請書
(イ)所轄庁からの認証書(原本と写し)
(ウ)定款(原本と写し)
(エ)役員就任承諾書(原本と写し)
(オ)設立当初の財産目録(原本と写し)
また、設立登記をした後には、所轄庁に設立登記完了届出書に、登記簿謄本とその写し、
定款の写し、設立当初の財産目録の写しなどを所轄庁に提出します。設立登記完了届出書は、
所轄庁がNPO法人関係の「手引き」などに書式を示しています。
なお、所轄庁によって、部数その他が違う可能性がありますから、この時の提出書類につい
ても、事前に所轄庁に確認されることをお勧めします。
鈴木さんの団体では、職員がいらっしゃらず、報酬なども発生していないということですの
で、お書きになっていらっしゃるように、労働保険や社会保険関係の事務はありません。
税務署については、もし法人税法上の収益事業(33業種あります)をしている場合は、収
益事業開始後2ヶ月以内に、税務署に事業開始届を提出します。もし、この法人税法上の収
益事業をしていない時には、これは必要ありません。
33業種については、一覧を最後に付しておきます。
ただし、地方税については、都道府県税事務所、または市町村役場に、たとえ法人税法上の
33業種の事業をしていない時でも、事業を開始したことを届け出ます。この時は、登記簿
謄本、定款のコピー、法人設立届出書(東京都の場合は事業開始等申告書)などを提出しま
すが、これも事前に鈴木さんの地域の都道府県税事務所や市町村役場でご確認ください。
なお、地方税については、基本的には法人税法上の収益事業を行っていなくても「均等割」
という税が課されることになっているのですが、こうした収益事業を行っていない場合は、
都道府県税については「減免」といって、NPO法人は払わなくとも良いことになってい
ます。
この減免を受けるためには、上記の手続きを都道府県税事務所でしておいて、納税のお知ら
せが来た時に「減免申請」をします。なお、市町村税については、それぞれの自治体で
「減免」としているところや、そうでないところがありますから、役所に聞いてみてください。
いろいろと手続きがありますが、頑張ってください。
----------------------------------
<33業種>
1.物品販売業 2.不動産販売業 3.金銭貸付業 4.物品貸付業 5.不動産貸付業 6.製造業
7.通信業、放送業 8.運送業 9.倉庫業 10.請負業 11.印刷業 12.出版業 13.写真業
14.席貸業 15.旅館業 16.料理飲食店業 17.周旋業 18.代理業 19.仲立業 20.問屋業
21.鉱業 22.土石採取業 23.浴場業 24.理容業 25.美容業 26.興行業 27.遊技所業
28.遊覧所業 29.医療保健業 30.技芸教授業 31.駐車場業 32.信用保証業 33.無体財産権提供業
------------------------------------------------------------
シーズ事務局・小坂/轟木
Re: 法人成立後の届け出 投稿者:
鈴木 投稿日:2001/12/04(Tue) 22:51:00
No.662
小坂様 轟木様
大変御丁寧に御教え頂きまして、ありがとうございました。
いろいろ手配が多くて、大変です。
> 鈴木さんの団体では、職員がいらっしゃらず、報酬なども発生していないということですの
すいません。この部分なんですが、会の中に先生(理事でもあります)がお見えで、有料にて、講師や指導、相談をしていただくのですが、その場合の謝礼金は、その労働の対価という捉え方で、私が上記に書きましたように、「報酬は発生しない」という考え方でよろしいのでしょうか?
以前、どちらかでそのような事を聞いた覚えがあるのですが、ちょっと自信がありません。
御意見をお聞かせいただければ、幸いです。よろしくお願い致します。
Re: 法人成立後の届け出 投稿者:
公認会計士・赤塚和俊 投稿日:2001/12/05(Wed) 08:15:00
No.663
鈴木さん
> > 鈴木さんの団体では、職員がいらっしゃらず、報酬なども発生していないということですの
>
> すいません。この部分なんですが、会の中に先生(理事でもあります)がお見えで、有料にて、講師や指導、相談をしていただくのですが、その場合の謝礼金は、その労働の対価という捉え方で、私が上記に書きましたように、「報酬は発生しない」という考え方でよろしいのでしょうか?
> 以前、どちらかでそのような事を聞いた覚えがあるのですが、ちょっと自信がありません。
講師料等も労働の対価の一種ですが、税法上は給与と報酬は分けて考えます。一般的には
雇用関係がある場合が給与でそれ以外が報酬です。なお役員報酬は「報酬」という言葉を
使いますが、税法上は給与です。法人での地位や職務に対する報酬だからです。
給与以外の報酬であっても講師料等の支払が発生した場合は源泉徴収(通常は支払額の10
%)を行って税務署に納付しなければなりません。納付書は税務署でもらえます。なお、
給与の源泉税の納付書と報酬の源泉税の納付書は別の用紙になっています。実際の納付は
銀行や郵便局でかまいません。
法人設立のときの届出は、給与の支払のある場合は税務署に「給与支払事務所等の開設届
出書」を提出するのですが、上記の報酬のみの場合はこの届出は必要ありません。
公認会計士・赤塚和俊
Re: 法人成立後の届け出 投稿者:
鈴木 投稿日:2001/12/05(Wed) 23:53:00
No.664
赤塚先生
お返事ありがとうございます。
念のための確認なんですが、申請書類になかに「役員のうち報酬を受ける者の名簿」が
ありますが、この場合は、役員としての報酬はありませんので、
「該当者なし」でよろしいのですね。 すいません、初歩的な質問で・・・。
Re: 法人成立後の届け出 投稿者:
公認会計士・赤塚和俊 投稿日:2001/12/06(Thu) 00:13:00
No.665
鈴木さん
> 念のための確認なんですが、申請書類になかに「役員のうち報酬を受ける者の名簿」が
> ありますが、この場合は、役員としての報酬はありませんので、
> 「該当者なし」でよろしいのですね。 すいません、初歩的な質問で・・・。
そのとおりです。「該当者なし」でいいのです。
公認会計士・赤塚和俊