Re: 擬似私募債について 投稿者:
弁護士 浅野晋 投稿日:2010/02/10(Wed) 19:06:37
No.9101
金子 たか子 さん
疑似私募債は、「私募債」と違って、明確な根拠法がありません。
このため債権者の人数に制限があるわけではありませんが、出資法(出資の受入れ、預り金及び金利等の取締りに関する法律)による制約があります。
出資法は、次のように定めています。
第1条(出資金の受入の制限)
何人も、不特定且つ多数の者に対し、後日出資の払いもどしとして出資金の全額若しくはこれをこえる金額に相当する金銭を支払うべき旨を明示し、又は暗黙のうちに示して、出資金の受入をしてはならない。
第2条(預り金の禁止) 業として預り金をするにつき他の法律に特別の規定のある者を除く外、何人も業として預り金をしてはならない。
2 前項の「預り金」とは、不特定かつ多数の者からの金銭の受入れであつて、次に掲げるものをいう。
一 預金、貯金又は定期積金の受入れ
二 社債、借入金その他何らの名義をもつてするを問わず、前号に掲げるものと同様の経済的性質を有するもの
すなわち、「不特定かつ多数の者」に対して疑似私募債の募集をすると、出資法に違反してしまう可能性があります。
出資法に違反すると「3年以下の懲役若しくは300万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。」という罰則の適用がありますので注意する必要があります。
従って、疑似私募債の募集は、少数の縁故者に限られることになります。
この場合、少人数私募債の債権者の上限が「50名未満」となっていることが一つの目安になるかと思われます。
弁護士 浅野晋