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決算書について 投稿者:会計シロウト 投稿日:2007/04/12(Thu) 10:38:05 No.6816
初めて投稿させていただきます、会計シロウトと申します。
当法人は、昨年法人格を取得し、現在、NPOとして初めての決算書作成の作業を行っております。
そこで、3点ほど分からないことがありまして、投稿させていただきました。

1.源泉徴収は半年に1回に納付すればよいという制度をつかっているのですが、前年度1~3月分の所得税(預かり金)を、18年度の予算書では繰越金に合算して入れてしまっていました。預かり金は決算書には記載しなくてよいとの話を聞いたのですが、実際に支払った1~3月分の所得税はどのように決算書に反映させれば良いのでしょうか?また、現在も今年1~3月分の所得税を預かっていますが、予算書にはどのように反映させれば良いのでしょうか?
2.雇用保険に10月から加入し前払いをしておりました。その後、本人負担分を給与から徴収しておりますが、決算書ではどのように反映させれば良いのでしょうか?
3.行政からの委託事業を行っており、18年度の残金は5月に返納予定です。予算書にはどのように記載すれば良いでしょうか?

初歩的な質問を多くしてしまって申し訳ありませんが、どうぞよろしくお願いいたします。
Re: 決算書について 投稿者:公認会計士 岩永清滋 投稿日:2007/04/14(Sat) 14:21:42 No.6822
会計シロウトさんは書きました:
1.実際に支払った1~3月分の所得税はどのように決算書に反映させれば良いのでしょうか?また、現在も今年1~3月分の所得税を預かっていますが、予算書にはどのように反映させれば良いのでしょうか?


繰越金に入れたのはまずかったですね。正しくは貸借対照表の負債の部に預り金として計上すべきでした。
収支計算書の方ですが、大きく2つ考え方があります。
損益計算書的に考えると、この源泉税関係は、単なる預り金の収入と支出なので、どこにも書きません。
現預金を資金とする考え方ですと、預かったとき、預り金収入として収入の部に記載し(支出の給料は手取りではなく総額で記載)、税務署に支払ったとき預り金支出として計上します。予算書も同じ考えです。

2.雇用保険に10月から加入し前払いをしておりました。その後、本人負担分を給与から徴収しておりますが、決算書ではどのように反映させれば良いのでしょうか?


厳密なやり方もあるのですが、簡便法としては支払った時に全額を法定福利費として計上し、毎月預かる額をその法定福利費のマイナスとして記入すれば、法定福利費は事業主負担分だけになります。3月決算ならば、これで正確な計算と近似値になります。

3.行政からの委託事業を行っており、18年度の残金は5月に返納予定です。予算書にはどのように記載すれば良いでしょうか?


委託収入を同額減少させて、その部分を未払金として計上して貸借対照表に記載します。収入を減少させずに、支出の部に「委託料返還支出」として明示する方法もあります。

初歩的な質問を多くしてしまって申し訳ありませんが、どうぞよろしくお願いいたします。
Re: 決算書について 投稿者:会計シロウト 投稿日:2007/04/16(Mon) 09:36:09 No.6828
岩永さま

大変わかりやすくご回答いただき、ありがとうございました。

預かり金(所得税)については、現預金を資金として考える方法で収支計算書に記載したいと思います。その際は、18年度の予算書では「繰越金」に入っていた「預かり金収入」を独立して記載することになりますが、そのことは、収支計算書の欄外に注記すればよろしいのでしょうか?
また、18年度の収支計算書をこのような形でつくった場合、19年度以降も「預かり金収入」「預かり金支出」といった形でつくっていった方がよろしいのでしょうか?

重ねての質問で申し訳ありませんが、どうぞよろしくお願いいたします。
Re: 決算書について 投稿者:公認会計士 岩永清滋 投稿日:2007/04/16(Mon) 12:58:45 No.6830
預かり金(所得税)については、現預金を資金として考える方法で収支計算書に記載したいと思います。その際は、18年度の予算書では「繰越金」に入っていた「預かり金収入」を独立して記載することになりますが、そのことは、収支計算書の欄外に注記すればよろしいのでしょうか?


 繰越金は前年度末の現預金と合っていますか。合っているならそれでかまいません。資金を現預金と考える方法なら両者は一致します。しかし、貸借対照表では繰越金に含めないで負債の部に計上します。したがって預り金の分だけ一致しません。
 そして今年の4~6月の預り金については「預り金収入」とします。7月に6ヶ月分を支払った時は「預り金支出」とします。1~3月分だけが支出の方が多くなりますが、それでかまいません。

また、18年度の収支計算書をこのような形でつくった場合、19年度以降も「預かり金収入」「預かり金支出」といった形でつくっていった方がよろしいのでしょうか?


 その通りです。今度7~12月分を預かったときは、「預り金収入」とします。そして来年の1月に下期分を支払った時は「預り金支出」とします。年末調整の関係を無視すれば、これは同額となるはずです。最後に来年の1~3月分を預かったときは「預り金収入」とします。この段階で決算を迎えます。収支計算書上はこれで終わりです。
 一方貸借対照表の方は、預り金の3ヶ月分は負債に計上します。繰越金が収支計算書と一致しないのは期首と同じです。
 これら不一致がなぜ生じるかを、欄外に注記すればよいでしょう。

Re: 決算書について 投稿者:会計シロウト 投稿日:2007/04/16(Mon) 17:26:19 No.6831
岩永さま

早速、ご返答、ありがとうございます。

預かり金の処理の件、とてもわかりやすくご説明いただき、ありがとうございました。

最初の質問に戻って、収支計算書を損益計算書的に考えた場合、繰越金の決算額を、予算額から預かり金(昨年1~3月の所得税)をひいた額で記載し、その理由を摘要に記載するようになるのでしょうか?

繰越金は前年度末の現預金と合っているのですが、収支計算書と貸借対照表の額が一致していた方がより良いのかと思いまして、再度質問させていただきました。

どうぞ、よろしくお願いいたします。
Re: 決算書について 投稿者:公認会計士 岩永清滋 投稿日:2007/04/21(Sat) 17:42:09 No.6853
最初の質問に戻って、収支計算書を損益計算書的に考えた場合、繰越金の決算額を、予算額から預かり金(昨年1~3月の所得税)をひいた額で記載し、その理由を摘要に記載するようになるのでしょうか?


 非常に単純に現金預金1000と預り金50だけがあると仮定しましょう。
 収支計算書を損益計算書的に考える場合は収支計算書の繰越金は950で貸借対照表と一致します。そして翌年この預り金50を支払い、それ以外に預り金の収入が300、支払が240あり、それ以外の取引は収入が3000、支出が2800としましょう。現金預金は1000-50+300-240+3000-2800=1210となります。預り金は50-50+300-240=60となります。収支計算書には預り金の収支を反映させませんので、収入3000-支出2800=200が繰越金の増加額、繰越金残高は950+200=1150となります。貸借対照表は、現金預金が1210、負債に預り金が60、繰越金が1150となって、貸借一致します。しかし現金預金とは一致しませんのでその理由を注記することになります。
 一方繰越金を現金預金と一致させる方法の場合は、収支計算書の期首繰越金は1000です。収入は3000+300(預り金収入)=3300、支出は2800+(50+240)(預り金支出)=3090となって、繰越金増加額は210で、繰越金残高は1210で現金預金と一致します。一方貸借対照表の方は上と同じですから、繰越金は1150となって60一致しません。これは期首の差の50と、翌年度の差10(=210-200)の合計です。このことをまた注記することになります。
 お分かりいただけるでしょうか。
Re: 決算書について 投稿者:会計シロウト 投稿日:2007/04/23(Mon) 09:49:09 No.6859
岩永さま

何度も詳しくご説明いただき、ありがとうございました。

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