選挙活動について 投稿者:
ネジ 投稿日:2007/05/28(Mon) 22:03:44
No.7025
初めまして。
NPO法人を運営母体とした障害者の作業所に勤務しています。
喫茶店という形態の作業所です。
法人の理事長が作業所の所長を兼任しています。
この理事長が4月の市議会選において特定の候補者の応援と思われる
活動をしていました。
具体的には
・ 法人の会員名簿を使い、候補者のハガキを送付
・ 店でお客さんに候補者を推薦
・ 店に候補者のパンフレットを置く
・ 勤務時間内に候補者の選挙事務所へ出向く
というものです。
このような行為は選挙活動にあたらないのでしょうか。
法人としての選挙活動とみなされてしまうのではと、不安に思っています。
理事長の行為はNPO法に違反していないのでしょうか。
もし違反であり、罰則があるとしたらどのような罰則があるのでしょうか。
罰則が適用される場合、法人、作業所、作業所職員、その他どこまでが
責任追及や罰則の及ぶ対象になるのでしょうか。
勉強不足で申し訳ございませんが、ご意見を頂けたらと思います。
よろしくお願い致します。
Re: 選挙活動について 投稿者:
弁護士 浅野晋 投稿日:2007/06/17(Sun) 12:41:29
No.7070
ネジ さん
1、特定非営利活動促進法第2条2項1号ロは、NPO法人が「政治上の主義を推進し、支持し、又はこれに反対することを主たる目的とするものでないこと。」と定めており、また同号ハはNPO法人が「特定の公職の候補者(当該候補者になろうとする者を含む。)若しくは公職にある者又は政党を推薦し、支持し、又はこれらに反対することを目的とするものでないこと。」と定めています。
2、これは、NPO法人がこれらの行為をすることを全て禁じているものではありません。すなわち、NPO法人がこれらの行為をすることを「主たる目的」とか「目的」とすることを禁じてはいますが、例えば自然環境保護を目的に活動しているNPO法人が、たまたま選挙の際に、自然環境保護に力を入れている候補者を支持したりすることは許されます。
3、ご質問のケースは、理事長の行為が、個人の行為ではなく当該NPO法人の名前で為されていたときに、それが「特定の公職の候補者(当該候補者になろうとする者を含む。)若しくは公職にある者又は政党を推薦し、支持し、又はこれらに反対することを目的とする」ものであるとまで言えるかどうかによって、NPO法に違反するかどうかが決まります。
ただ、一般的にいえば、ご質問に記載された行為をした程度で、これを当該NPO法人が上記の「目的とするもの」であるというのは困難であると思います。
4、なお、理事長の行為が、当該NPO法人の理事長としての職務を逸脱しているかどうかは全く別の問題ですので、理事長の行為を理事会や総会で問題にしてみたらいかがでしょうか。
弁護士 浅野晋