2、まず「総会の開催」ですが、これについては民法60条に「……少なくとも毎年1回、社員の通常総会を開かなければならない。」と定められており、特定非営利活動促進法30条はこの民法60条を準用しています。ところが、民法60条は、「少なくとも毎年1回」と定めるだけで、その開催時期については何も定めていません。また、総会と事業年度の関係についても定めはなく、「事業年度の終了後一定の期間内に開催せよ」との趣旨の定めもありません。
6、特定非営利活動促進法29条1項は、「毎事業年度1回、事業報告書等……を所轄庁に提出しなければならない。」と定めています。ご質問のNPO法人は、事業報告書について総会の承認を要する趣旨の定款の定めがあるようであり、このため総会の開催時期との問題が生じているようです。この場合どうするかについては、2つの方法があると思われます。
①事業報告書自体が作成されていれば、総会の承認の有無は当該団体の内部手続の問題に過ぎないし、特定非営利活動促進法が事業報告書について総会の承認を要するとの趣旨の定めもないから、総会の承認がないまま所轄庁に提出する。
7、私としては、上記①でよろしいかと考えます。それは、事業報告書というものは、その事業年度に当該団体がどのような事業活動をしたかという事実の報告書ですから、総会が事業報告の承認決議案を否決しようが可決しようが、当該年度に客観的にどのような事業が行われたかという事実自体は変わらないからです。
浅野先生 ご回答ありがとうございます。
上記①は,事業年度の定款変更必要なし,ということで理解して良いのですね? それであれば①で(事業年度後3カ月以内に提出)当分運営する方向で考えてみたいと思います。
2のように,総会開催時期については,確かに法には明記がないし,事業年度後3カ月以内に提出が必要な事業報告書は,①のように「総会の議決を経たもの」との規定がどこにも明記されていないし,新年度総会の議事録の添付は不必要なのを,私も気付いてはいましたが,浅野先生ご回答で整理できました。
今年8月の総会でこの旨を周知し,来年3カ月以内の事業報告書はメール会議で正会員のコンセンサスを得て(監事の監査も得て)所轄庁に提出する方向で相談してみたいと思います。
ま,来年7~9月予定の総会では(新年度の総会としては遅くはなりますが),手続きとして前年度の事業報告・新年度の事業計画を議決することにしたいと思います(事業計画は年初にはメール会議で決めることとしたいですが)。
しかし考えてみれば,総会は,新年度計画に重きを置くなら,事業年度終了前に開催しても良いわけでしょうが,一般的には終了前に理事会で新年度計画を議決するのが望ましいのでしょうね。
浅野先生,以上のようなことで良いでしょうか?