学生さんは書きました：
はじめまして。現在大学の授業でＮＰＯ法人について勉強しております。
分からない点が何点かありまして、投稿しました。
すぐに必要な情報なので、できるだけ早い回答をお願いいたします。
１．日米の比較をしたいと思いまして、アメリカと日本のＮＰＯ、ＮＰＯ法人、認定ＮＰＯ法人の数が知りたいです。
→日本と米国では、「ＮＰＯ」をめぐる定義、社会制度、法人制度や税制が大きく異なりますので、単純な比較はできません。
ジョンズ・ホプキンス大学のレスター・Ｍ・サラモン教授らによる国際比較研究などがよく引用されていますので、『台頭する非営利セクター』（レスター・Ｍ・サラモン、ダイヤモンド社、1996年10月）などをご参照下さい。
サラモン教授の別の著書『米国の「非営利セクター」入門』（ダイヤモンド社、1994年３月）には、少し古いデータですが、内国歳入法の501(c)(1)～(21)、501(d)～(f)、521など、種々にタイプ分けされる免税団体のデータに基づき、「公共奉仕」団体（～74万団体）、「会員奉仕団体（～40万団体）の合計で、110万団体程度と概算しています。
日本でＮＰＯという場合、「特定非営利活動法人」（いわゆるＮＰＯ法人）の数は31，581（2007年5月末現在）、認定ＮＰＯ法人の数は70法人です。
内閣府のホームページやシーズの「ＮＰＯＷＥＢ」などをご参照ください。ただし、上の国際比較研究の定義で日米比較をする場合、該当する社団法人、財団法人、社会福祉法人、学校法人、協同組合などを合算する必要があります。
http://www.npoweb.jp/news/news_info.php?article_id=2825http://www.npo-homepage.go.jp/index.html
２．認定ＮＰＯ法人になるための流れを知りたいです。
→上述の内閣府のホームページから、平成18年５月現在の内閣府のパンフレットがダウンロードできます。ご参照ください。
また、シーズブックレット「新版 ＮＰＯ支援税制がよくわかる本」をご購入いただければ幸いです。
３．パブリックサポートテストについて。アメリカは容易に通過できるのに、日本はわずか数％の団体しか通過できません。このように、日本のパブリックサポートテストが難しい理由はなぜですか？
→質問２の答えを前提にお答えすると、
・「パブリック」のとらえ方が日米で大きく異なっていること。米国でいう「パブリック」には「一般公衆」のほかに「官」（国や地方自治体）が含まれている。
・団体の本来目的を遂行するための事業、から得られた収入の扱いが異なっていること。米国では、団体の本来目的を遂行するための事業による収入は、分母には参入しない。
・議決権を持つ会員（いわゆる正会員：ＮＰＯ法上の社員）の支払う会費に関する考え方がまったく異なる。
・パブリック・サポート・テストを算出するための対象期間にも大きな違いがある。米国では、４税制年度の合計。
などに加え、米国には、パブリック・サポート・テストが複数存在するなどの違いがあります。
４．認定ＮＰＯ法人とＮＰＯ法人の違いは、優遇措置があるかないか、だけですか？
→支援税制の適用以外は、所轄庁などの変更はありません。ただし、運営面からいうと、認定ＮＰＯ法人としての運営ルールについては、国税庁からも監督を受け、いっそうの情報公開を行います。
