横から少し議論に参加します。公認会計士の岩永といいます。
A事業で例えば10万円余剰金(収益金)が発生しB・C事業の資金が不足したため、A事業より5万円ずつB・C事業に繰入した場合、申告上、A事業からの10万円は寄付金となるのでしょうか?または、会計間の資金移動で処理してよいのでしょうか?
おっしゃっている内容は、税法上の収益事業から非収益事業への資金の繰入の話だと思います。脇坂先生もおっしゃているように認定NPO法人でなければ、みなし寄付金の制度はありません。そもそもみなし寄付金とは、収益事業から非収益事業への内部への資金の移動を、一旦あたかも外部への「寄付金」と「みなす」制度であり、そうした上で金額的な限度を設けて損金処理ができるという一種の「特典」として位置づけられているものです。
ですからそれが認められないNPO法人の場合には寄付金とする余地はなく、仮に寄付金として処理したとしても否認されます。
寄付金として処理するというのは、10万円の余剰から10万円の寄付金を控除して利益ゼロとして申告しても、税務上は最初の10万円に課税されることになります。結局余剰の10万円が課税所得になるので、この資金移動は税務上は無視されるわけです。
だとすれば会計の原則にかえって、あくまで法人内部の資金移動ですから、脇坂先生のおっしゃるように、○○会計繰入支出というような科目を使う方が正しいと思います。