English Page
退職者についての情報提供上の留意点は? 投稿者:yuki33 投稿日:2007/07/19(Thu) 21:09:21 No.7169
介護系のNPOですが、実は最近退職した従業者が利用者さん宅に出入りしていることが判明しました。きっかけは退職後に、挨拶とお世話になったお礼を言いたかったようですが、その際に個人の電話番号を教えて何か困ることがあれば連絡下さいと言ったようです。その退職者については、以前の事業所からもよからぬ噂があり、既に退職しているとは言え心配です。そこで、関係者に向けて本人の実名を出した上で、退職時の経過報告をしようと考えていますが、個人情報取扱い上、何か問題になることはないでしょうか?
Re: 退職者についての情報提供上の留意点は? 投稿者:弁護士 浅野晋 投稿日:2007/07/21(Sat) 11:25:46 No.7179
yuki33 さん

①個人情報やその名誉の保護と、②利用者に生じる可能性がある被害防止のどちらを優先するかの問題です。

例えば過去に泥棒や詐欺行為をしたからといって、その人がこれからも必ず同じことをするとは限りません。しかし、過去にそのようなことをした人がこれから同様な行為をする蓋然性は、そうでない人より高いと言ってよいでしょう。

利用者に、退職者の過去の「よからぬ噂」や「退職の経過」を告げるかどうかは、その蓋然性がどの程度かとの判断にもよります。

退職者の過去の「よからぬ噂」や「退職の経過」を利用者に告げることは、場合によっては退職者に対する名誉毀損ということにもなりかねません。
 
従って、退職者の過去の「よからぬ噂」や「退職の経過」を利用者に告げることは慎重にすべきですが、利用者の判断力の程度によっては、被害防止のため敢えてこれを告げたほうがよいかもしれません。

私でしたら、具体的な事情にもよりますが、これを告げて注意を喚起し被害防止を図るという選択を優先するように思います。(場合によっては、名誉毀損ということでトラブルになる覚悟をした上でですが。)

                弁護士 浅野晋

- WebForum -