- 事後承認の可否 - たっち 2007-10-07 10:39:35 No.7311
事後承認の可否 投稿者:
たっち 投稿日:2007/10/07(Sun) 10:39:35
No.7311
定款に「収支決算の変更」については総会の議決事項と記載しています。ただし、「事前承認でなければならない」との記載はありません。事後の総会で満場一致で議決される見通しなり周知がなされていれば、理事会の修正予算執行決議と、次期総会への事後承認付議で、定款に違反しないと考えるのですが、どうなのでしょうか。
また、万一、事後承認でなければ修正予算の執行ができないのであれば、軽微な予算修正がある毎に臨時総会を行なう必要が生じ、年に10回以上の臨時総会を開催する必要が出てきますが、その線引きは、どう考えたらよろしいのでしょうか。
どうぞ、ご教示お願い致します。
Re: 事後承認の可否 投稿者:
弁護士 浅野晋 投稿日:2007/10/07(Sun) 12:51:42
No.7312
たっち さん
定款に「収支決算の変更」(「決算」ではなく文意からすると「予算」のことでしょうか・)については総会の議決事項と記載してあるということは、事前に総会の議決を要すると解するのが自然です。
従って、総会の議決を経ることなく予算を理事会で勝手に修正して執行することは定款違反だと思われます。
ただ、そのような定款違反の状態が、後に総会で承認されることにより解消するとすれば、その間の定款違反状態を当該団体として是認するかどうかは、その団体の「私的自治」の問題であると思われます。
総会で承認されなければ、勝手に予算を変更して執行してしまった役員の責任問題が生じますし、承認されればその間の違法状態については総会としては「目をつぶる」ということになるわけです。
たっちさんの団体では「年10回以上」もこのようなことが起きるとのことですから、むしろ、例えば予算の決定・修正の権限を理事会とするとか、一定金額以下の予算の修正については理事会に委任するとかいう内容の定款変更をしたらいかがでしょうか。
「定款」というのは、団体運営のルールですが、同時に道具(ツール)でもありますから、その道具(ツール)が実情にあわない(使いにくい)ということであれば、実情に合わせて(使いやすいように)どんどん変更すると良いと思います。
なお、予算の決定権者については法律上これを総会にしなければならないという制約は全くありません。予算の決定、修正を理事会で行う旨の定款は何ら問題ありません。
(東京都の運営指針には「事業報告及び収支決算……」等を総会の議決事項とする必要がある旨書いてありますが、これはNPO団体の運営の実態を知らないお役人の勝手な見解ですから、無視することにしましょう。)
弁護士 浅野晋
Re: 事後承認の可否 投稿者:
たっち 投稿日:2007/10/07(Sun) 15:43:09
No.7313
非常にわかりやすくご教示いただき、ありがとうございます。今後の運営に反映させて参ります。