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NPO法人の理事と社員に対する 請負 投稿者:レオン 投稿日:2007/10/12(Fri) 01:39:09 No.7318
NPO法人を 設立しようと しているものですが
社員になってもらう方が WEB製作会社されており
その方に 我がNPOの HPを つくってもらいますが
対価をはらっても 問題はないんでしょうか?

もう一つ 主たる事務所を 理事が借りている建物の一室を 借りようと思っています
理事に支払う家賃は 問題ないんでしょうか?
Re: NPO法人の理事と社員に対する 請負 投稿者:弁護士 浅野晋 投稿日:2007/10/12(Fri) 14:57:31 No.7319
レオン さん

 社員にホームページを作ってもらい、その社員に対価を支払うことは、法的には何ら問題ありません。

 次に、「理事が借りている建物の一室を借りようと思っています」とのことですが、まずこれがいわゆる「又貸し」(転貸)ということのようですが、又貸し(転貸)するには大家さんの承諾が必要ですのでご注意下さい。承諾なく又貸しをすると契約を解除される可能性があります。

 また、当該法人からその理事に賃料を支払うということですから、その契約は法人と理事の利益相反行為となります。従って当該理事は当該法人の代表者として契約をすることができません。
(民法57条、NPO法30条参照)
 
 例えば、この法人を甲法人とし、理事長をA、理事をB、Cとしましょう。この場合、

 (1) Bが転貸人の場合……代表理事A・と個人としてのB間で契
            約することができる
 (2) Aが転貸人の場合……代表理事Aと個人Aとは利益相反とな            るので契約することができない。

ということになります。
 
 そして(2)の場合、Cが代表権を持っていれば、代表権のある理事Cと個人Aとの間で契約をすることができます。

Aが転貸人で、かつAしか代表権のある理事がいない場合は、民法57条、NPO法30条但書にもとづき特別代理人の選任を所轄庁に申し立てることになります。

                    弁護士 浅野晋


Re: NPO法人の理事と社員に対する 請負 投稿者:レオン 投稿日:2007/10/13(Sat) 09:10:49 No.7320
ありがとう ございます
もう一つ 質問なんですが
設立に向けて 準備中なのですが
賃貸する事務所を 登記上の住所とする場合
どういう順序で 進めていけば よろしいでしょうか?
役員名簿やその他の書類の 代表者の住所は 自宅になってますし
とりあえず 代表者の住所で 登記して その後変更登記と言う順序に なるんでしょうか?
Re: NPO法人の理事と社員に対する 請負 投稿者:弁護士 浅野晋 投稿日:2007/10/18(Thu) 11:33:36 No.7328
レオン さん

 実はご質問の趣旨がよくわかりませんが、おそらくこんな事だろうということでお答えします。

 「とりあえず代表者の住所」を事務所とすることは、何の問題もありませんし、また「その後変更登記と言う順序」についても何の問題もありません。

 また、「賃貸する事務所」というのは「賃借する事務所」ということだと思われますが、NPO法人の設立前に賃借の下話をしておき、従ってその賃借予定建物の住所を事務所の所在地として登記することも何の問題もありません。

 なお、「事務所の所在地」は定款に定めなければなりませんが、法律上これは最小行政区画(例えば、区、市町村名)を記載すればよいことになっています。従って、「○○区」という記載でOKであり、「○○区○丁目○番○号」という住所まで記載する必要はありません。

 「○○区」という記載にしておくと、同じ○○区内で事務所を移転しても、定款変更の手続をしないですむので、その方が便宜です。

 なお、これに関し東京都の運用指針は、定款の「事務所の所在地」として、、「○○区○丁目○番○号」という住所の記載までせよと述べていますが、この指針は間違っていますので無視してかまいません。なお、「○○区○丁目○番○号」と記載することがいけないというわけではなく、住所まで記載してもしなくてもどちらでも良いという趣旨ですので、団体の実情に応じてどちらか決めたらよいと思います。

 法的な検討については、以下の通りです。

【東京都の運用方針】
 NPO法人が事務所の所在地を明確に記載することは、NPO法人の基本的情報の市民への周知であり、その事業活動拠点を明らかにすることは、市民からの信頼を得るための必要不可欠な情報提供にほかなりません。NPO法人の主たる事務所及びその他の事務所の所在地には、最小行政区画のほか、町名地番又は住居表示番号、ビル名、ビルの階層、部屋番号等までを記載する必要があります。

 ↓
【法的検討】
・NPO法第11条1項四号は、定款の記載事項として「主たる 事務所の所在地及びその他の事務所の所在地」とのみ定めてお り、町名、地番等について記載せよとは定めていない。
・また民法は、定款事項を定める37条3号では「事務所の所在  地」としているが、登記事項を定める46条1項3号では   「事務所の所在場所」として、明確に概念区分をしている。  (会社法においても同様である。会社法27条3号、911  条3項3号参照)
 ・民法の社団法人の場合も、「事務所の所在地」が定款の必要  的記載事項となっているが、解釈上これは所在地の最小行政  区画(東京都の○○区、○○市、○○郡○○町、村)まで記  載すればよいことになっており、これが確定した行政解釈と  なっている。(大正13年12月17日民事1194号司法  次官回答)
   なお、政令指都市の「区」については最小行政区画ではな  いので、政令指定都市の場合「区」まで記載する必要はな   い。例えば、横浜市中区に事務所がある場合、定款上の事務  所の所在地の表示としては「横浜市」でOK。(商事法務1  343号90頁)
 ・東京都は以前は最小行政区画の記載で良いとし、最小行政区  画までしか記載されていない定款による設立認証申請に対し  認証をしていた。(最小行政区画の記載で設立認証を受けた  NPO法人はたくさんある。)
(なお、町名、地番まで記載しなければならないということ  であれば、従来最小行政区画の記載で認証を受けたNPO法  人の認証は違法な認証ということになるが、東京都はそこま  でいう元気はないようである。)
・従って、上記運用方針は間違っている。

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