NPOWEB

　来年度中に法人格の取得を目指していますが、収益事業を実施しないので手続きが簡単で時間的にも1ヶ月で取得できるという一般社団もしくは財団での申請を考えています。
　しかし、行政などの助成金も当てにしていますが、一般社団/財団には申請資格が与えられるかどうか心配です。
　事業の内容からいえばNPO法人の条件を満たしていますが、やはりNPO法人の認証を目指すべきでしょうか。

たまこさん、こんにちは。

ご質問の件ですが、結論から申し上げますと、来年度中に法人格を取得されるということであれば、シーズとしましてはNPO法人の方をお勧めいたします。

公益法人制度改革関連３法は、平成２０年１２月１日に施行される予定ですが、実際にどのような運用がされるのか、その後1年間程経過してみないとわからない、というのが正直なところです。
従いまして、行政からの助成金の仕組みについても現時点では予測が出来ず、残念ながらお答えできません。

尚、場合によってはNPO法人から公益法人へ移行することも可能ですので、とりあえずNPO法人を設立しておいて、後で検討を加えるということも可能です。

以上、ご参考になれば幸いです。

たまこ　さん

　六法全書で、「一般社団法人及び一般財団法人に関する法律」と「特定非営利活動促進法」を比べてみて下さい。
（但し、最新の六法全書を見て下さい。旧いのには、「一般社団……法」は載っていません。）

　前者は、全部で３４４条もありますが、後者は５０条しかありません（但し、民法を準用している部分がありますので、実質的には条文数は若干増えます。）

　前者の条文を読むと、実にあれこれ周到な定めがなされています。つまり、一般社団は、いわば、法律でがんじがらめになっていますが、ＮＰＯ法人は法律の規制が大変緩やかで、大幅に団体の私的自治に委ねています。

　そのどちらが良いかは、当該団体の考え方によります。

　例えてみれば、一般社団はいわば重装備の装甲車みたいなものですが、ＮＰＯ法人は気楽に乗り回せる乗用車みたいなものであると言って良いように思います。

　法人格は、社会的活動をしやすくするための「道具」です。その団体にとって、どちらが「道具」として使いやすいかを考えてみてください。

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　弁護士　浅野晋