- 正会員の募集について - ソーシャル・インパクト 2008-01-20 09:59:30 No.7475
正会員の募集について 投稿者:
ソーシャル・インパクト 投稿日:2008/01/20(Sun) 09:59:30
No.7475
・「法人設立後、正会員の募集を行わない」ことは可能でしょうか?
現在、法人申請の準備中ですが、本来事業として対価事業を中心に活動していく予定のため、異なる目的を有する輩(乗っ取りを目的とした者など)を排除するためにも議決権を有する正会員の募集を広く行うリスクを軽視できません。
実際、対価事業を中心に活動しているNPO法人のウェブサイト上では賛助会員のみを募集している例が見受けられました。
将来的に、継続的に健全な事業運営を維持していくために、またその先にある受益者の利益の保護という観点からも、顔の見える範囲において、理念とビジョンに賛同された正会員のみで事業を進めていくこと(つまり、設立後に基本的に正会員の募集は行わないこと)は可能なのでしょうか。
正会員の資格については「不当な条件」を付してはいけないことは承知しているのですが、募集そのものを省くことができるのかどうかについての規定を見つけることができなかったのでこちらに質問させていただきました。
ご指導、よろしくお願いいたします。
Re: 正会員の募集について 投稿者:
弁護士 浅野晋 投稿日:2008/01/22(Tue) 09:00:46
No.7478
ソーシャル・インパクト さん
特定非営利活動促進法第2条2項は、「社員の資格の得喪に関して、不当な条件を付」することを禁じていますが、社員の募集をするかしないかは当該団体の自由ですから、社員の募集をしなくてもこの条項違反とはなりません。
弁護士 浅野晋
Re: 正会員の募集について 投稿者:
ソーシャル・インパクト 投稿日:2008/01/22(Tue) 10:58:31
No.7480
端的なご回答、ありがとうございました。
今後ともご指導よろしくお願いします。
Re: 正会員の募集について 投稿者:
みやび たかし 投稿日:2008/01/24(Thu) 13:34:07
No.7485
弁護士 浅野晋さんは書きました:
ソーシャル・インパクト さん
特定非営利活動促進法第2条2項は、「社員の資格の得喪に関して、不当な条件を付」することを禁じていますが、社員の募集をするかしないかは当該団体の自由ですから、社員の募集をしなくてもこの条項違反とはなりません。
浅野先生へ質問です
積極的に正会員の募集を行わない場合でも、入会を申し込んでくる方の入会を拒むことはできないと考えますが、如何でしょうか?
弁護士 浅野晋
Re: 正会員の募集について 投稿者:
弁護士 浅野晋 投稿日:2008/01/24(Thu) 19:50:40
No.7491
ソーシャル・インパクト さん
「積極的に正会員の募集を行わない場合でも、入会を申し込んでくる方の入会を拒むことはできないと考えますが、如何でしょうか?」
↓
原則として、入会を拒むことは、特定非営利活動促進法2条2項1号イにいう「社員の資格の得喪に関して、不当な条件を付さないこと。」という条項の趣旨に反することになるように思われます。
しかし、例えば禁煙・嫌煙権運動をしている団体に、たばこ屋を経営している人が入会申込みをした場合には、これを拒むことは許されることは当然です。当該団体の趣旨目的に反する行為をしている人の入会を認めろというのは、あまりに理不尽なことです。
つまり、入会を拒むについて「正当な理由」があれば、入会を拒んでも良いと解されます。
多くの定款では、その旨の定めをしていると思われますが、その旨の定めがなくても同様に解して良いと思います。
なお、「正当な理由」というのは、あいまいで、解釈幅はかなり広いように思われますし、その有無については人により考え方の違いも出てくると思います。
ところで、「正当な理由」があると考えて団体がA氏の入会を拒んだところ、A氏はこれに納得せずに、裁判所に対し「入会を認めよ」という趣旨の裁判を起こすことができるかどうかという問題があります。
これに関しては、裁判所が形成的なことを命ずることが出来るのは、法律にその旨の定めがある場合だけであり、この問題に関してはそのような法律のめ定めはありませんので、結論はNOということになります。
従って、当該団体が入会を断固NOといえば、それがまかり通ることになりますが、それが正当な事由に基づかない恣意的なものだということになると、所轄庁による改善命令等の監督措置を発動される可能性があります。
弁護士 浅野晋