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定款変更 投稿者:みずき 投稿日:2008/03/21(Fri) 22:02:20 No.7592
 2008年度は役員改選の年度に当たります。役員の定員は現在、理事3~8人、監事1人となっていますが、定員の変更(増員)を行いたいと考えています。その際、5月の定期総会において定款変更(役員の定員変更)と、変更した定員の役員承認とを同時にできるのか、質問させていただきます。
Re: 定款変更 投稿者:弁護士 浅野晋 投稿日:2008/03/22(Sat) 13:44:01 No.7593
みずき さん

 NPO法25条3項は、「定款の変更は、………、所轄庁の認証を受けなければ、その効力を生じない。」と定めていますので、定款変更の認証がない時点で、定款で定められた定数を超える人数の役員を選任することは、定款違反となります。
 従って、定款変更の決議をする総会で、同時に変更後の定款の定数の役員を選任することはできません。
 (役員の選任機関は、必ずしも総会ではなく定款で例えば理事会とか評議員会と定めても良いのですが、ご相談の案件では総会が役員の選任機関のようですので、それを前提にお答えします。)

 しかし、定款変更の認証後に改めて臨時総会を開催して役員を選任するのも大変です。そこで、次のような方法も考えられます。(現在の定款で定められている定数が理事3~8人、改正定款で定める理事定数が3~12人とします。)
①定款変更の決議をする総会において、変更前の定款(現行定款)で定める最大数の8人の理事を選任する。
②同時に、定款変更によって増員するその余の4名の理事について、「定款変更の認証を受けることを条件に理事に選任する。」旨の、条件付選任決議をする。

 この場合、理事に選任される人が、①②のどちらの理事として選任されるかを、決議の中で明確にしておく必要があります。
そうしないと、誰が①②いずれの理事であるかがわからなくなり、全体として選任決議が無効ということにもなりかねません。

 なお、②によって選任された理事は、当然のことですが、定款変更の認証があったときから理事となります。(但し、就任承諾が必要ですが。なお、就任承諾は事前にもらっておくことも可能です。)

 このような選任方法について、公益法人については議論が見当たりませんが、株式会社の取締役については議論があり、選任決議に条件や期限を付することは、それが合理的である限り有効であるとされています。従って、例えば、「Aを理事に選任するが、Aが理事への就任を承諾しない場合はBを理事に選任する。」という選任決議も、例えば6月末日に任期が切れる理事の再任決議を5月末にするというのも有効です。

 NPO法人の役員についても、これを禁ずる法令がありませんから、上記取締役の場合と同様に考えて良いと思われます。

 定款変更の認証は、認証申請から4ヶ月以内には行われますから(NPO法10条2項、12条2項)、上述したような選任方法には合理性があり、有効であると考えることができます。

               弁護士 浅野晋 す

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