NPO法人の本来事業に建設業を含められるか? 投稿者:
エンジニア 投稿日:2008/04/11(Fri) 21:31:59
No.7642
当方、学校や地域を対象にした、環境教育支援のための組織を設立したいと考えています。NPO法人設立を検討していますが、また、自分が土木関係の資格を持っていることから、将来的には建設業許可を取り、主たる事業の中に、上記目的に資するための土木技術を生かしたビオトープ造成ならびに維持管理に関する指導業務を含めてみたいと考えていますが、この件を行政書士に相談したところ、NPO法人で建設業許可を取ったケースは聞いたことがなく、認証自体が難しいのではないかといわれました。これは、やはり難しいのでしょうか?
Re: NPO法人の本来事業に建設業を含められるか? 投稿者:
弁護士 浅野晋 投稿日:2008/04/13(Sun) 12:35:17
No.7648
エンジニア さん
まず、NPO法人の設立の認証については、建設業の許可の有無にかかわりませんから、全く問題ありません。
すなわち、「ビオトープ造成ならびに維持管理に関する指導業務」というのは、NPO法2条別表五号の「環境の保全を図る活動」に該当しますので、設立の認証自体には問題がありません。
ただ、建設業の許可が取れるかどうかは別問題です。
もっとも、建設業法を読むと、NPO法人の場合許可を得られない旨の定めはありません。現時点では、建設業の許可を受けたNPO法人がないとしても、必ずしもあきらめる必要はないように思います。
なお、建設業法2条2項は「建設業」を次のように定義していますから、他からの依頼で工事を「請け負う」のではなく、当該NPO法人自らが発案して、自らの費用で行う工事については建設業法の適用はありません。(つまり建設業の許可がなくてもできることになります。)
建設業法2条2項
「この法律において「建設業」とは、元請、下請その他いかなる名義をもつてするかを問わず、建設工事の完成を請け負う営業をいう。」
弁護士 浅野晋
Re: NPO法人の本来事業に建設業を含められるか? 投稿者:
エンジニア 投稿日:2008/04/13(Sun) 21:46:26
No.7651
ご回答ありがとうございます。
「当該NPO法人自らが発案して、自らの費用で行う工事」というのは、収益事業として行わない場合、いわゆるボランティア活動で行うケースであれば、建設業法上の業に該当しないと捉えてよろしいでしょうか?
ご助言お願いします 投稿者:
エンジニア 投稿日:2008/04/14(Mon) 11:18:50
No.7654
たびたび失礼します。
NPO法人であっても、工事を行っても公益に寄与する目的であれば認証が可能だというお話で、上記に補足しまして、ご助言をお願いいたします
軽微な建設工事(請負額が税込500万円未満の建設工事)であれば、建設業許可が必要ないという認識でおりますが、内容はあくまで請負業に当たるので、これを事業として行う場合は「その他の収益事業」に分類されるという捉え方でよろしいでしょうか?
さらに本来事業の一つとして「NPOが自ら発案し、自らの費用で行う工事」を行い、さらに上記のような「その他の収益事業としての工事」を収益事業の1つとして、これらの事業を両方とも定款に記載することは可能でしょうか?
それとも、両方を記載することで運営上不具合がございますでしょうか?もし、並列が可能だとしたら、どう記載したら正しく意味が伝わりますでしょうか?考えられる問題点などございましたら、ご指摘をお願いします。
ご教授お願いします。
Re: ご助言お願いします 投稿者:
弁護士 浅野晋 投稿日:2008/04/18(Fri) 18:39:57
No.7672
エンジニア さん
NPO法2条別表五号の「環境の保全を図る活動」をするNPO法人が「、ビオトープ造成ならびに維持管理に関する指導業務」をするのは「その他事業」ではなく「本来事業」です。
本来事業について、必ずしも無償である必要はありません。有償であっても、本来事業となりえます。
つまり、本来事業かどうかは、当該NPO法人の目的と定款の定め方によるのであって、有償か無償かで決まるわけではありません。
従って、ご質問のケースでは、定款上、収益事業として記載する必要はありません。
弁護士 浅野晋