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受託側と委託側の長が同じ場合について 投稿者:JCP 投稿日:2008/04/22(Tue) 18:45:45 No.7675
いつもお世話になっております。
標記の件につきまして、ご助言いただきたく、よろしくお願い申し上げます。
このたび当NPO法人が、ある学会の事務局を委託されることになりました。月々委託料をもらって運営する形です。
学会は現時点では任意団体ですが、現在法人化を目指しています。
この学会の会長と当NPO法人の理事長が同一人物なのです。
この場合、何か法的に抵触することがありますでしょうか?
理事長は、私どもの業界では重鎮のひとりなので、公的機関の長も兼ねており、この公的機関からの受託は避けています。
相手が任意団体でも事情は同じでしょうか?
ご教示の程、よろしくお願い申し上げます。
Re: 受託側と委託側の長が同じ場合について 投稿者:弁護士 浅野晋 投稿日:2008/04/29(Tue) 18:54:55 No.7685
JCP さん


民法108条は次のように定めています。

(自己契約及び双方代理)
第百八条  同一の法律行為については、相手方の代理人となり、又は当事者双方の代理人となることはできない。ただし、債務の履行及び本人があらかじめ許諾した行為については、この限りでない。

同一理事長が、双方の代表者として契約をすることは、この民歩央108条に抵触します。

これを避けるためには、どちらかの団体で、理事長以外に代表件を有する理事がいれば、その理事がその団体を代表して契約をすればよいと思います。

                 弁護士 浅野晋


Re: 受託側と委託側の長が同じ場合について 投稿者:JCP 投稿日:2008/05/01(Thu) 13:01:08 No.7692
浅野先生。
このたびは、ご回答ありがとうございました。
実は同様の質問を、東京ボランティアセンター及び東京都庁NPO法人係りにお尋ねしたのですが、双方とも法律的には全く問題がない、とのご見解でした。
他の機関で、浅野先生と同様の、理事長以外に代表権を有する理事が契約すればよい、とのアドバイスもありましたので、ボランティアセンターさんにお聞きしたところ、定款で代表権を理事長に制限している場合はそれはできない、とのご回答でした。
NPO法人の理事は、一応全員が代表権を有していると思うのですが、当方の定款13条で「理事長はこの法人を代表し、その業務を統括する」とあります。こうした場合は、理事長以外の理事が団体を代表して契約することはできないのでしょうか?
恐れ入りますが、再度ご見解をご教示頂けましたら幸いです。
どうぞよろしくお願い申し上げます。
Re: 受託側と委託側の長が同じ場合について 投稿者:弁護士 浅野晋 投稿日:2008/05/01(Thu) 19:54:49 No.7693
JCP さん


 定款の中に次のような定めがありませんか?

第○条 理事長は、この法人を代表し、その業務を統括する。
2 副理事長は、理事長を補佐し、理事長に事故があるとき又は理事長が欠けたときは、その職務を代行する。


 理事長が法律上の制約によって代表権を行使できないときというのは、「理事長に事故あるとき」に他なりません。
 従って、定款にこのような条項があれば、これに基づいて副理事長が当該NPO法人の代表権を行使することができます。

 このような定款の定めがないときは、……更に考えてみますので、そのときはまたご相談下さい。

                     弁護士浅野晋



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