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総会時の可決/否決の判断 投稿者:相談役 投稿日:2008/05/30(Fri) 07:58:02 No.7796
可決ラインは過半数と定款に明記しているとします.以下の場合,それぞれ可決と判断するのか, 否決と判断をするのか,明確に確認したく考えています.

例1)100人出席.賛成が60人,反対が40人.委任状無し.
例2)100人出席.賛成が45人,反対が40人.15人は手をあげない.委任状無し.
例3)20人出席.委任状が70人分.出席者の内,賛成が0人,反対が20人.委任状の内,賛成が46人,反対が24人.10人は委任状出していなくて出席していない.

通常,委任状は,議案について議決権を議長や誰々さんに委任する,という形式のもののはずだと思いますが,予め議案について賛否を記載していただく形式になっていたとします.その場合,議論に参加していない判断を単純に賛否に加算して良いものでしょうか?
上記例について,それぞれどう判断するのかを,具体的に教えていただきたいです.よろしくお願いします.
Re: 総会時の可決/否決の判断 投稿者:名無しさん 投稿日:2008/05/31(Sat) 23:21:20 No.7809
相談役 さん

なかなか重要でおもしろい問題にお気づきになられましたね。

例1)100人出席.賛成が60人,反対が40人.委任状無し.
     ↓
   これは特段の問題がありません。もちろん「可決」です。


例2)100人出席.賛成が45人,反対が40人.15人は手をあげない.委任状無し.
     ↓
 手を上げなかった15人をどう考えるかという問題です。仮に定款には、総会の議決について次のように定められているとします。
 
 「総会の議事は、出席した正会員の過半数をもって決する。」
 
 この場合、次のように考えます。
   ①手を上げなかった15人は、議論には加わっていますが、    議決については「棄権」しています。そこで、この15人    は、総会の定足数には算定します。
   ②しかし、議決には加わっていませんから、この議決に関し    ては、この15名は「出席者」数には算定しません。
   ③従って、この議案の議決に関する「出席者」数は、45名    +40名=85名であり、賛成者の45名は「過半数」で    すから、この議案は「可決」されたということになりま     す。

(例3)20人出席.委任状が70人分.出席者の内,賛成が0人,反対が20人.委任状の内,賛成が46人,反対が24人.10人は委任状出していなくて出席していない.
     ↓
 委任状提出者も出席者とみなされますから、
  ・賛成票=46票
  ・反対票=20人+24人=44人
となり、賛成票の方が多数ですから、この議案は「可決」されたことになります。

 なお、(例2)の事案に関しては、地方議会の「出席議員」数と棄権票、無効票の関係についての高松高裁昭和28年9月25日判決(行政事件裁判例集4巻9号2132頁)の判例があり、②③と同様の判断をしています。

 次に、議案の評決に関し、委任状による評決について「議論に参加していない判断を単純に賛否に加算して良いものでしょうか」とのご質問ですが、これはNPO法30条が準用する民法65条2項が次のように定めていますので全く問題ありません。
 
 「総会に出席しない社員は、書面で、又は代理人によって表決を  することができる。」

                    弁護士 浅野晋



                  弁護士 浅野晋
  

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