住民参加型介護派遣サービスへの課税について 投稿者:
はるぼん 投稿日:2002/01/30(Wed) 20:53:00
No.807
会員制でいわゆる「住民参加型」の介護人派遣サービス(有償)を行っています。4点質問があります。
1.事務局スタッフ・理事の半数以上がそのサービスの利用者でもある障害者です(但し、職員として雇用されているわけではなく、ボランティアで関わっており、有給スタッフはいずれも健常者)。
このような場合、法人税法施行令第5条の2は該当しないのでしょうか? 東京で同様のサービスをしている団体には、非課税の認定を受けているところもあるようですが…
2.このようなサービスの場合、「会員相互の助け合い」であり、団体はそのコーディネイトをしているだけという理由で、介護を行なう会員との雇用関係は成立しないと解釈しているのですが、どうなのでしょう?
3.介護会員への報酬支払の際、源泉徴収は行なっていませんが、しなければならないのでしょうか? 事務処理が非常に煩雑になるため、多くの団体では行なっておらず、雑所得として確定申告をすすめている実態ですが、それではいけないのでしょうか?
4.収益事業に関わる会費には課税されると聞きましたが、こうしたサービスの会費(利用会費、介護会費)も課税対象になるのでしょうか?
Re: 住民参加型介護派遣サービスへの課税について 投稿者:
公認会計士・赤塚和俊 投稿日:2002/01/31(Thu) 10:53:00
No.808
はるぼんさん
> 1.事務局スタッフ・理事の半数以上がそのサービスの利用者でもある障害者です
> (但し、職員として雇用されているわけではなく、ボランティアで関わっており、
> 有給スタッフはいずれも健常者)。このような場合、法人税法施行令第5条の2は
> 該当しないのでしょうか?
条文を文字通り解釈すれば該当しないと思います。法律は「これらの者の生活の保護
に寄与している」ことを要求しています。つまり障害者を有給で雇用していることが
条件です。
> 東京で同様のサービスをしている団体には、非課税の認定を受けているところもあ
> るようですが…
十分に有り得ることだと思います。その他の事例でも多いのですが-困ったことでも
あるのですが-税法の運用はかなりの部分、現場(所轄税務署または担当者)の裁量
に委ねられています。
> 2.このようなサービスの場合、「会員相互の助け合い」であり、団体はそのコー
> ディネイトをしているだけという理由で、介護を行なう会員との雇用関係は成立し
> ないと解釈しているのですが、どうなのでしょう?
ワーカーに支払うお金が労働の対価にあたるかどうかという意味でしょうか。そうで
あれば最低賃金以下であれば賃金ではなくボランティアに対する謝礼だとして税務署
と争っている団体が現にありますが、まだ結論は出ていません。
> 3.介護会員への報酬支払の際、源泉徴収は行なっていませんが、しなければなら
> ないのでしょうか? 事務処理が非常に煩雑になるため、多くの団体では行なって
> おらず、雑所得として確定申告をすすめている実態ですが、それではいけないので
> しょうか?
これも2のお答えと同じです。労働の対価(賃金)であれば源泉徴収しなければなら
ないということになります。ただし、賃金であっても本人から扶養控除申告書を書い
てもらい、月額87000円未満の支払いであれば源泉徴収は不要です。
> 4.収益事業に関わる会費には課税されると聞きましたが、こうしたサービスの会
> 費(利用会費、介護会費)も課税対象になるのでしょうか?
会費がサービスの対価であるかどうかによります。サービスを受けるかどうかに関わ
らず一定金額の会費を徴収しているのであれば収益事業には該当しません。また、仮
にサービスに応じた会費を徴収している場合であっても、それが法人税法でいう収益
事業(請負業)にあたるかどうかも争いのあるところです。所轄の税務署によっても
判断が分かれているというのが実態です。
公認会計士・赤塚和俊
Re: 住民参加型介護派遣サービスへの課税について 投稿者:
はるぼん 投稿日:2002/01/31(Thu) 17:13:00
No.809
さっそくのお答え、ありがとうございました。よくわかりました。
結局所轄税務署(の担当者)の判断によりけりなんですよね。そうなると、こちらの説明の仕方、あるいは折衝に当たってもらう税理士さんの力量もさることながら、税務署の担当者がどんな人かという「運」の部分も大きいってことになってしまいますよね。非収益事業として認知されている前例を示すとよいとも聞いてますが、その効果も、担当者次第なんでしょうね。
それから、介護会員(ワーカー)の報酬への源泉徴収は、他に仕事をしていない短時間派遣の方の場合はご指摘の方法でもいいのですが、月87000円を超える方や、こちらが「従たる給与」に該当する方(乙欄適用者)もおられるので、そうなると結局徴収しないといけないですよね。うちのような会計専任者も置けない小規模赤字NPOには、大きな負担ですが、現行税法上は、仕方ないということなんでしょうね…
まあ、がんばってみます。