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法曹家とタッグしたNPO法人の信ぴょう性とは? 投稿者:ばんづいん 投稿日:2008/11/30(Sun) 20:11:24 No.8178
NPO法人についてはその社会的価値の反面、怪しげな団体の存在が昨今言われています。

実は私は今「生前契約」をサポートするというあるNPO法人と契約しようか否かで迷っているのです。

そもそも「生前契約」とは身よりの無い単身者の生前、死後についての不安(身元保証人、後見、遺言処理、埋葬、遺品片付け等)につき「家族代わりにトータルでサポート」してもらう、生前にかわす契約なのです。行政とは違いトータルというところが独創的ではないでしょうか?
その団体は当初は株式会社からスタートせざるをえなかった様なのですが、途中から自分の中ですべてを完結する形を止め、自分が正しい仕事をしたかの「監査」並びにそれがまっとうされてる場合の私の財産から自分への費用の「支払い」などについては、別途に主旨に共鳴した弁護士などの法曹専門家によるNPO法人を立ち上げ、それと両輪で処理にあたるという形が認められ自分自身もNPO法人化した経緯をもつ様です。
又、ちなみに契約はすべて公正証書にてかわします。
たしかに双方の法人の役員名簿を見るとかなりの社会的肩書きを持つ方々の名が並んでいます。

私としては当然、

◎「自分が死んだ後に依頼していた仕事が遂行されない不安」や、或いは
◎「かかってない費用を遺産から削られ精算される不安」

などがあるわけですが、この「監査と支払いを法曹専門家による別法人化し公正証書で契約する事」でどこまでそういう不安に対し安心手形を得たといえるのだろうか?と迷うわけなのです。そこで、

●素人の私は「法曹専門家がおかしな事をした場合の資格はく奪」位しか思いつきませんがそれ以外に安心の根拠になるものが何か有るでしょうか?
●こういう体制でも上記 ◎ の様な自分の不安が的中するケースが有りうるとしたら、それはどんな事が考えられるでしょうか?
●法人の運営状況についての情報の閲覧が内閣府や各自治体をとおして可能との事ですが、自分は経営や監査に回った事などない素人です。公開された財務諸表などを読み解く力をつちかえばある程度一般人でも真偽の判定ができるものでしょうか?

以上、勝手ながら自分には難しく、面倒な相談事で相すみませんが何卒宜しくお願いできませんでしょうか。

Re: 法曹家とタッグしたNPO法人の信ぴょう性とは? 投稿者:弁護士 浅野晋 投稿日:2008/12/02(Tue) 11:56:35 No.8182
ばんづいん さん

公正証書による契約は、確かにその公正証書の内容となっている契約を締結した事実を確実に証明いたしますが、その契約内容が履行されることを確実にするものではありません。

契約関係は、当事者間の信頼関係に基づきます。契約の相手方が契約内容を履行しないときは、裁判所に訴えて判決を得て、強制執行によって契約内容の実現を図ることができる場合もありますが、御質問のケースでは、問題が生じるのは死後のことですから、このような救済を得ることは難しそうです。

また、現在は信頼できる団体だったとしても、将来相手方の経営が破綻したり、経営陣が交代して信頼できない団体となる可能性がありますが、公正証書による契約をしていてもこのような事態を阻止することはできません。

「監査と支払いを法曹専門家による別法人」が行うという仕組みは、仕組みとしては安心材料ではありますが、それがうまく機能するのか、将来どうなるのかは全く分かりません。

結局、その団体が将来にわたりどの程度信頼できるのかということに帰着します。その判断はなかなか難しそうです。

                  弁護士 浅野晋





Re: 法曹家とタッグしたNPO法人の信ぴょう性とは? 投稿者:ばんづいん 投稿日:2008/12/03(Wed) 09:51:20 No.8187
浅野晋先生。今、気付きました。
このサイトでの質問、はじめてで勝手がわからず失礼あればお許し下さいませ。
大変わかりやすい親身なご指摘、助かります。

そうですか。やはりかなり注意が要る様ですねえ。
書きのがしていましたが一応理事や監事には、弁護士、学者、宗教家、某有名私大(六大学)理事長、公証人連合会元会長、元保健所所長などのそうそうたる名前が並んではいるのですが・・・

逆に私の気持ちとしては「法曹家がバックにいるので安心」で終わっていないで「なぜ安心か」に踏み込む事はできないのか?と思うわけなのです。それが安心に繋がるかと・・・
自分の理解がまだ届いていない、電話口の担当でなくもう少しトップの方と接触すべきかとは思いました。

いづれにせよ貴方様の様なプロの弁護士さんがこういう疑問につきあってくれるというのは私達には大変有難いのです。
更なるご意見があればぜひお待ちします。
どうも大変有難うございました。

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