NPOWEB

NPOの利点としてよく
自治体の枠を越えた広範囲の活動が可能であることを目にするのですが、
どういう理由でそれが可能なのでしょうか。
また実際そのような活動が多いのですか。

文集さま、

ご投稿ありがとうございます。
確かに、平成１２年発行の経済企画庁のＮＰＯ法人を対象にした調査報告書によれば、一つの
区市町村の区域程度で活動しているＮＰＯは全体の２２．０％であり、残りはそうした自治体
の枠を超えて活動しています。
ＮＰＯとは市民の自発的な意志によって始まる活動ですから、「市区町村の境界線を超えると
活動をしない」、という発想には普通つながらないようです。

自治体は、その担当する市とか町のなかにおいてサービスをしますから、境界線を超えるとサ
ービスはしません。例えば、ゴミの収集車は、たとえ１０メートル先にゴミの集積所があって
も、そこが担当の自治体の管轄外であれば収集しません。

一方、企業は利益追求の可能性があれば、自治体の枠を超えて自由に展開していきます。ＮＰ
Ｏも同じで、社会的問題があってニーズが存在すれば、自治体の枠は問題にはなりません。な
かには、自治体の枠どころか、国の枠をも超えても活動している団体もたくさんあります。一
般的にはＮＧＯと呼ばれることも多くなってきましたが、このＮＧＯもＮＰＯ、つまり民間の
非営利組織です。

ＮＰＯの特徴のひとつは、自治体や国など既成の枠にとらわれず、市民による自由な発想で活
動することであるといえます。

シーズ事務局・轟木　洋子