退会届と除名処分の優先関係 投稿者:
武蔵小次郎 投稿日:2009/02/16(Mon) 19:43:26
No.8310
お世話になります。
私は、都内のNPO法人を運営しているのですが
当会の趣旨に非常に賛同し入会してきたある
会員が途中から会議の運営を妨害してきたり
しました。
これらの行為は大変悪質なもので理事会でも
当該会員を除名することになったのですが、
弁明の機会を与える旨を知らせたところ、退
会届を出されました。
NPO法上、退会は任意であることから退会を
認めるしかないと思うのですが、何か釈然と
しません。
退会届を受理しないこととして、除名とする
ことはできないのでしょうか。
当会の規程上は除名となった会員は再び入会
することができないということになっている
ので、除名処分としたいのですが。
退会ということになると再び入会も認めなく
てはいけないことになるのですよね。NPO法上
入会も任意にできるということになっているの
ですから。
Re: 退会届と除名処分の優先関係 投稿者:
弁護士 浅野晋 投稿日:2009/02/22(Sun) 11:23:28
No.8328
武蔵小次郎 さん
退会するのはまったくの自由で、これを制限できません。
したがって、退会する旨の意思表示が当該団体に到達したときに退会したことになります。
入会については、多くの団体の定款では、「正当な事由がない限り入会を認める。」旨の定めがあります。これは「正当な事由があれば入会を認めない。」という趣旨です。
そこで、このような定款の定めがあれば、それで対応すればよいと思います。
もしこのような定款の定めがない場合ですが、その場合でも、入会を認めないとする正当な事由があれば、解釈上は入会を認めない処理をすることは可能であると解されます。
団体というのは、構成員がその団体の目的達成のために協力して活動をするというのが基本原理ですが、このような基本原理に反することが明らかな場合には、条理上「拒否権」があると考えられるわけです。たとえば、反喫煙団体に、たばこ産業の従事者から入会申し込みがあった場合などを考えていただくとわかりやすいかもしれません。
なお、法的な効力は別として、退会届を受理した後で「除名」処分をして、団体としての姿勢を明確にしておくことは差し支えありません。
弁護士 浅野晋