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入院介護保障基金 投稿者:障害者団体npo 投稿日:2002/02/20(Wed) 21:42:00 No.856
行政からヘルパー制度委託を受けている重度障害者団体NPOです。
利用者が入院時に行政からの委託がうちきりになりますが、
最重度障害者の場合は命にかかわるので介助は病院でもつけなければいけません。
長期入院などが発生すると3ヶ月で300万円もの人件費赤字が出てしまうため、
団体で(法人外に)入院対策の介護費基金会計を作っています。
基金規約に基づき月々一定額をためていき、入院時などに基金から介助者に
支払いできる様にしています
基金への支払いはNPO法人会計から行い、入院時の基金からの支払いは介助者が受け、
法人は受け取りしません。

税法上はNPO法人からこの基金への支払いは経費とすることができるのでしょうか
詳しい方を探しているのですが見つかりません
Re: 入院介護保障基金 投稿者:公認会計士・赤塚和俊 投稿日:2002/02/22(Fri) 07:55:00 No.857
障害者団体npoさん

NPO法人から基金への積立を行う時点での経費計上は無理です。別会計といっても
法人と一体と考えられるからです。基金からの支払時には経費と認められると思い
ます。

そういう意味では、内部的に別会計にするのは構いませんが、対外的には全体を法
人の会計に含めた方がいいと思います。

                    公認会計士・赤塚和俊
Re: 入院介護保障基金 投稿者:障害者団体npo 投稿日:2002/03/01(Fri) 18:42:00 No.858
ありがとうございます

このような基金を複数のの団体で加入する方法で行っている団体もありますが、
例えば以下のような場合はどうなるでしょうか?
・基金事務局(非法人)は独立した場所にあり、独立した職員がいます。
・3~4法人が加入しています。各法人からは独立しています。
・基金の役員は障害者の介護利用者で構成されています。法人の役員の兼務はありません。
・規約に基づき、掛け金と給付金が決まります。給付金は法人には入りません。
Re: 入院介護保障基金 投稿者:公認会計士・赤塚和俊 投稿日:2002/03/07(Thu) 21:03:00 No.859
障害者団体npoさん

お返事が遅れてすいませんでした。

> ・基金事務局(非法人)は独立した場所にあり、独立した職員がいます。
> ・3~4法人が加入しています。各法人からは独立しています。
> ・基金の役員は障害者の介護利用者で構成されています。法人の役員の兼務はありません。
> ・規約に基づき、掛け金と給付金が決まります。給付金は法人には入りません。

このような場合は、基金への積立をNPO法上の決算で経費とすることは
全く問題ありません。ただし、税法上は別の問題があると思います。

行政から受けたヘルパー制度の委託契約が法人税法上の収益事業であると
して、この基金への拠出が委託契約の範囲に含まれるかどうかです。

基金への拠出が委託契約の範囲内であれば経費になりますし、契約の範囲
を越えるのであれば税法上は経費にはならないことになります。

「利用者が入院時に行政からの委託が打ち切りになる」ということから、
この基金を利用されるのであれば、委託契約の範囲内の業務ということは
難しいのではないでしょうか。

私としても不本意なお答えですが、現行の税法の解釈ではこうなります。

                 公認会計士・赤塚和俊
Re: 入院介護保障基金 投稿者:障害者団体NPO 投稿日:2002/03/21(Thu) 00:11:00 No.860
さらに質問です

> 行政から受けたヘルパー制度の委託契約が法人税法上の収益事業であると
> して、この基金への拠出が委託契約の範囲に含まれるかどうかです。
> 基金への拠出が委託契約の範囲内であれば経費になりますし、契約の範囲
> を越えるのであれば税法上は経費にはならないことになります。

これらの団体は、介護保険や自費利用のサービスも同時平行で行っています。
障害ヘルパー委託ではなく、介護保険では上記の考え方はどうでしょうか?
介護保険は利用者に対して,保険が支払われ,利用者は事業者に自分のお金を支払うという建前の制度ですので、使途は自由(何に使っても収益事業の経費になる?)だと思います。
このほか,障害者に対して資金補助が出ていて,障害者からnpo法人が直接お金を受けて、介助サービスしていくこともあります。
このような多用な制度を財源にしているので,どこから保険料が出ているのか,はっきりさせることは出来ないのではないかと思いますし,はっきりさせるならば「介護保険と自費利用の部分から保険料を出してます」と宣言することも可能です。
これでも不可能でしょうか?

(また,2003年からは障害ヘルパーも委託制度でなく,障害者に支援費が支払われ,障害者が自由に事業者に自分のお金を払って、ヘルパーを利用するという建前の制度になります。この場合は大丈夫なのではないでしょうか?)
Re: 入院介護保障基金 投稿者:公認会計士・赤塚和俊 投稿日:2002/03/21(Thu) 07:22:00 No.861
障害者団体NPOさん

ご質問のケースであれば、税法上の経費として差し支えないと思います。
ただし、あくまで委託事業の経費ではなく、介護保険事業およびそれに
附随する事業としての経費ということになります。

とは言っても、法人税法では、1法人内の収益事業は全体として見るこ
とになりますから、そういう意味では委託事業の経費か介護保険事業の
経費かについても、それほどこだわる必要もないでしょう。

               公認会計士・赤塚和俊
Re: 入院介護保障基金 投稿者:障害者団体npo 投稿日:2002/03/23(Sat) 06:05:00 No.862
何度もありがとうございました
以下の点も教えてください


1.入院等事故が起こった際の基金からの給付金の受取人は団体ではなく、労働者ですが、この場合、基金が労働者へ支払う保証金は給与の変わりとなりますが、通常の給与所得控除の対象になりますでしょうか


2.入院介護保障基金の団体の活動は非収益事業ということで課税の心配はありませんか。  
Re: 入院介護保障基金 投稿者:公認会計士・赤塚和俊 投稿日:2002/03/23(Sat) 07:08:00 No.863
障害者団体npoさん

> 1.入院等事故が起こった際の基金からの給付金の受取人は団体ではなく、労働者ですが、
>  この場合、基金が労働者へ支払う保証金は給与の変わりとなりますが、通常の給与所得
>  控除の対象になりますでしょうか

雑所得と考えられます。給与所得控除の対象にはなりません。

> 2.入院介護保障基金の団体の活動は非収益事業ということで課税の心配はありませんか。  

法人税法の定義する33業種には該当しませんから課税はありません。

                      公認会計士・赤塚和俊
Re: 入院介護保障基金 投稿者:障害者団体npo 投稿日:2002/03/24(Sun) 15:12:00 No.864
>> 1.入院等事故が起こった際の基金からの給付金の受取人は団体ではなく、労働者ですが、
>>  この場合、基金が労働者へ支払う保証金は給与の変わりとなりますが、通常の給与所得
>>  控除の対象になりますでしょうか

> 雑所得と考えられます。給与所得控除の対象にはなりません。

 それでは、基金から労働者へ直接支払いではなく、基金から各NPO法人へ(給与額と全く同じ額を)支払い、法人から労働者に給与として支払わないと給与所得控除が受けられないことになります。
このように、基金からの支払いを、法人を通して支払いする仕組みでは、そもそも基金への掛け金が法人経費になるでしょうか?
Re: 入院介護保障基金 投稿者:公認会計士・赤塚和俊 投稿日:2002/03/26(Tue) 17:20:00 No.865
障害者団体npoさん

>  それでは、基金から労働者へ直接支払いではなく、基金から各NPO法人へ
> (給与額と全く同じ額を)支払い、法人から労働者に給与として支払わないと
> 給与所得控除が受けられないことになります。
> このように、基金からの支払いを、法人を通して支払いする仕組みでは、そも
> そも基金への掛け金が法人経費になるでしょうか?
>  

すみません。前回の回答を訂正いたします。基金から労働者への支払いが時間あ
たり賃金等で、基金と雇用関係があるとみなされる場合は給与所得です。ただし、
2カ所からの給与ということで確定申告が必要となります。

                  公認会計士・赤塚和俊
Re: 入院介護保障基金 投稿者:障害者団体npo 投稿日:2002/03/27(Wed) 12:55:00 No.866
> 基金から労働者への支払いが時間あ
> たり賃金等で、基金と雇用関係があるとみなされる場合は給与所得です。ただし、
> 2カ所からの給与ということで確定申告が必要となります。

この場合,基金が介護事業をやっていることになってしまい、課税事業にならないでしょうか?

基金から法人へ(時間あたり賃金分のみ明確にした上で)支払うのはダメでしょか?
Re: 入院介護保障基金 投稿者:公認会計士・赤塚和俊 投稿日:2002/03/29(Fri) 07:06:00 No.867
障害者団体npoさん

通常の介護保険事業は医療保健業として法人税の課税事業となりますが、これは
法律の枠内で行うものです。今回の事例は枠外事業であり、なおかつ基金は事業
に関して直接の対価の受け取りはない(仮に受益者負担部分があればその部分は
対価となりますが)ので課税事業にはならないと思います。

言ってみれば、基金への加入団体の共済事業ですが、通常の共済事業との違いは
受益者が加入団体ではなく第3者という点です。いずれにせよ法人税法の定める
33業種のどれにも該当しませんから課税はありません。基金が直接ヘルパーへ
支払うのではなく加入団体へ支払う場合でも考え方は同じです。

                   公認会計士・赤塚和俊
Re: 入院介護保障基金 投稿者:やたがい 投稿日:2002/04/04(Thu) 16:31:00 No.868
> ・基金事務局(非法人)は独立した場所にあり、独立した職員がいます。
> ・3~4法人が加入しています。各法人からは独立しています。
> ・基金の役員は障害者の介護利用者で構成されています。法人の役員の兼務はありません。
> ・規約に基づき、掛け金と給付金が決まります。給付金は法人には入りません。

生意気とは思いますが、
少々突っ込んだことがうかがいたく、
コメントさせていただきます。

上記内容から、損金算入が可能であるというご意見でしたが、
この種の掛金の損金性の有無の判断は非常に難しいのではないかと私は感じます。

生命保険、損害保険等においても積立性の強い保険商品は、積立金処理しなければならず、
支出=損金算入とはなりませんし、
同業社団体等への会費としても、その性質から、接待交際費または積立金とすべき性質の支出は、
支出=損金算入という図式が当てはまらないのでは、という認識を私は持っておるのですが、
いかがでしょうか。

また、保険業法、出資法との関連も気になりますが、
いかがでしょうか。

恐縮ですが、ご教授頂ければと思います。
Re: 入院介護保障基金 投稿者:公認会計士・赤塚和俊 投稿日:2002/04/06(Sat) 10:36:00 No.869
やたがいさん

> > ・基金事務局(非法人)は独立した場所にあり、独立した職員がいます。
> > ・3~4法人が加入しています。各法人からは独立しています。
> > ・基金の役員は障害者の介護利用者で構成されています。法人の役員の兼務はありません。
> > ・規約に基づき、掛け金と給付金が決まります。給付金は法人には入りません。

> 上記内容から、損金算入が可能であるというご意見でしたが、
> この種の掛金の損金性の有無の判断は非常に難しいのではないかと私は感じます。
>
> 生命保険、損害保険等においても積立性の強い保険商品は、積立金処理しなければならず、
> 支出=損金算入とはなりませんし、
> 同業社団体等への会費としても、その性質から、接待交際費または積立金とすべき性質の
> 支出は、支出=損金算入という図式が当てはまらないのでは、という認識を私は持っておる
> のですが、いかがでしょうか。

積立性の強い保険商品が損金算入できないのはおっしゃる通りです。しかし、このケースでは、
給付金は給付原因が発生した場合に介護者に直接支払われるだけであり、加入者(掛け金の
負担者)には何の反対給付(配当金や返戻金)もありませんから、損金処理は可能と考えます。
介護者に支払われる給付金は、保険金の性格というよりも労働の対価です。

> また、保険業法、出資法との関連も気になりますが、 いかがでしょうか。

不特定多数を対象に加入を募るのであればそういう問題も考えられますが、閉鎖的な共済事業
にはそのような問題はないと考えます。

                              公認会計士・赤塚和俊
Re: 入院介護保障基金 投稿者:やたがい 投稿日:2002/04/06(Sat) 11:19:00 No.870
大変良く分かりました。有難うございました。

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