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破産ができない場合 投稿者:津野田 投稿日:2009/09/15(Tue) 11:14:58 No.8826
お世話になります。

NPO法人が有する債務について、破産ができない場合
(予納金等のお金すらない場合)

どの様な扱いになるのかという相談を受けています。

負っている債務について、誰がどのような責任を負うのか。

また、その法人に関係する債権者からも、誰から取り立てればよいのか、持っている債権についてはどうなるのかということも聞かれています。


とりあえず、解散総会を開いてNPO法人を解散して清算法人になろうかという話は、NPO法人側から出ている様なのですが・・・

よくわからない質問で大変申し訳ありませんが、ご教示よろしくお願いいたします。

Re: 破産ができない場合 投稿者:弁護士 浅野晋 投稿日:2009/09/15(Tue) 19:50:09 No.8829
津野田 さん

1、破産手続に関し、NPO法は次のように定めています。

(特定非営利活動法人についての破産手続の開始)
第31条の3  特定非営利活動法人がその債務につきその財産をもって完済することができなくなった場合には、裁判所は、理事若しくは債権者の申立てにより又は職権で、破産手続開始の決定をする。
2  前項に規定する場合には、理事は、直ちに破産手続開始の申立てをしなければならない。

 つまり、NPO法人が「その債務につきその財産をもって完済することができなくなった場合には」、「理事は、直ちに破産手続開始の申立てをしなければならない。」というわけです。

第31条の12  清算中に特定非営利活動法人の財産がその債務を完済するのに足りないことが明らかになったときは、清算人は、直ちに破産手続開始の申立てをし、その旨を公告しなければならない。


2、それでは、その破産申立を怠った場合にどうなるかについては、NPO法49条に定めがあります。


第49条  次の各号のいずれかに該当する場合においては、特定非営利活動法人の理事、監事又は清算人は、二十万円以下の過料に処する。
 (一号から五号略)
六  第31条の3第2項又は第31条の12第1項の規定に違反して、破産手続開始の申立てをしなかったとき。

 すなわち、「二十万円以下の過料」に処せられることになります。

3、資産が全くない法人の破産申立の場合、多くの裁判所では「簡易管財事件」として、20万円程度の予納金の納付が必要です。このほかに、申立印紙代とか郵便切手代等でで数万円は必要です。
 詳しくは裁判所にお問い合わせ下さい。

4、従って、、過料を取られるより、みんなで費用を分担して破産手続をした方がよいのかもしれません。
 ただ、過料については、必ず徴収されるというわけではありませんので、運を天に任せて放っておく人もいるかもしれません。

5、法人の債務は、原則として当該法人が負いますので、理事や監事などの役員も、会員(社員)も、法人の債務を負担することはありません。但し、当該債務について保証していたり、または当該債務が生ずることについて、役員等が不法に荷担していたような場合には、当該役員等に責任が生ずることがありますが、これは例外的場合です。
               弁護士 浅野晋

Re: 破産ができない場合 投稿者:津野田 投稿日:2009/09/24(Thu) 08:03:07 No.8842
浅野先生

大変明確にご回答いただき、ありがとうございました。

非常に助かりました。

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