障害者等を2分の1以上雇用する場合について 投稿者:
山本 投稿日:2010/06/22(Tue) 09:00:13
No.9342
障害者等を2分の1以上雇用している場合
法人税法の収益事業から除くことが出来るかと思いますが、
この件につきまして、いくつか質問があります。
①短時間労働者も人数に入れて2分の1を計算すると思いますが、
雇用保険に加入していないような短時間の方も同じように考えてよいでしょうか。
②生活の保護に寄与しているとありますが、
短時間で働くNPOからのお給料と年金で生活が成り立っている場合も
この制度に該当しますでしょうか。
③雇用しているとありますので、役員報酬に該当する方の場合は、
分母・分子ともに計算上入れなくて良いでしょうか。
④2分の1以上に該当したとした場合、
税務署等になにか証明を出すのでしょうか。
(年度によって要件に該当するかしないか変わる可能性があるため)
⑤どの時点でこの要件を判定すればよいのでしょうか。(決算日に在籍している人数?)
⑥税務申告をしてしまった後に、実は要件に該当していたことが判明した場合、
税金を返してもらうことは出来るのでしょうか。
以上、ご教授下さい。
Re: 障害者等を2分の1以上雇用する場合について 投稿者:
税理士 脇坂誠也 投稿日:2010/07/11(Sun) 17:02:30
No.9370
山本さん
こんにちは
税理士の脇坂です
障害者等を2分の1以上雇用している場合
法人税法の収益事業から除くことが出来るかと思いますが、
この件につきまして、いくつか質問があります。
①短時間労働者も人数に入れて2分の1を計算すると思いますが、
雇用保険に加入していないような短時間の方も同じように考えてよいでしょうか。
●同じです
法人税基本通達15-1-8に以下のようにあります
身体障害者等従事割合の判定)
15-1-8 公益法人等の行う事業につき令第5条第2項第2号《身体障害者等を雇用する場合の非課税》の規定の適用があるかどうかを判定する場合において、当該事業に従事する身体障害者等(同号イからヘまでに掲げる者をいう。以下15-1-8において同じ。)の数が当該事業に従事する者の総数の半数以上を占めるかどうかは、当該事業年度において当該事業に従事した者の延人員により判定するものとする。この場合には、当該事業に従事する身体障害者等のうちに一般の従業員に比し、勤務時間の短い者があるときにおいても、当該者については、通常の勤務時間当該事業に従事するものとしてその判定を行うことができる。(
②生活の保護に寄与しているとありますが、
短時間で働くNPOからのお給料と年金で生活が成り立っている場合も
この制度に該当しますでしょうか。
●無給では無理でしょうが、給料をもらっているのであれば問題ないと思います
③雇用しているとありますので、役員報酬に該当する方の場合は、
分母・分子ともに計算上入れなくて良いでしょうか。
●そうなると思います
④2分の1以上に該当したとした場合、
税務署等になにか証明を出すのでしょうか。
(年度によって要件に該当するかしないか変わる可能性があるため)
●必要ありませんが、言われたときに説明できるようにしておく必要があります
⑤どの時点でこの要件を判定すればよいのでしょうか。(決算日に在籍している人数?)
●事業年度の延人数で判定です
⑥税務申告をしてしまった後に、実は要件に該当していたことが判明した場合、
税金を返してもらうことは出来るのでしょうか。
●法定申告期限から1年以内であれば、税務署に更正の請求をすることができます。その場合には、かなり詳細な説明が求められます
Re: 障害者等を2分の1以上雇用する場合について 投稿者:
山本 投稿日:2010/07/12(Mon) 13:17:05
No.9377
脇坂先生 ありがとうございました。
追加でもう1点教えていただきたいのですが、
私どもは市からの委託で作業所の運営をしているのですが、
利用者工賃をお支払している方を今回の2分の1の計算に含めても良いのでしょうか。
よろしくお願いいたします。
Re: 障害者等を2分の1以上雇用する場合について 投稿者:
税理士 脇坂誠也 投稿日:2010/08/04(Wed) 18:36:06
No.9398
山本様
お世話になります
追加でもう1点教えていただきたいのですが、
私どもは市からの委託で作業所の運営をしているのですが、
利用者工賃をお支払している方を今回の2分の1の計算に含めても良いのでしょうか。
よろしくお願いいたします。
●法人税法施行令第2項第2号には「その事業に従事する次に掲げる者が」と書いてありますが、基本通達15-1-8では「公益法人等の行う事業につき令第5条第2項第2号《身体障害者等を雇用する場合の非課税》の規定の適用があるかどうかを判定する場合において・・」とあり、身体障害者等を雇用する場合の非課税の規定とあります
雇用契約がない場合にはどうなるのか?という疑問がありますが、施行令では「その事業に従事する」としかいっていないので、雇用契約があるかどうかは、問わないのではないかと思いますが、税務署に確認したほうがいいかもしれません
Re: 障害者等を2分の1以上雇用する場合について 投稿者:
公認 投稿日:2010/08/10(Tue) 12:39:02
No.9413
公認会計士の岩永といいます。脇坂さんのご回答で十分なのですが、作業所については少しややこしい事情がありますので補足します。
作業所全体を一つの事業ととらえれば、おっしゃるように障害者が従事している割合が多いので非課税との論法が成立すると思います。
しかし、法律の考え方は、委託料(あるいは補助金)から支出するのは指導員給料や家賃などであり、障害者への工賃は作業収入から支払うことになっていて、この両者を厳密に区別せよとされています。
つまり委託料部分と作業収入部分とを二つにわけて判定するという考え方も成り立ちます。そうしますと、作業収入部分は障害者従事割合が多いので非課税といえますが、委託料部分はその根拠ではむずかしいかもしれません。
とはいえ、この委託料(または補助金)部分も、剰余が生じたら返還することになっており、現実に利益が出ることはありません。ですから税務署もしいて課税とするメリットもないので、実際上の問題は生じないと思います。ただ理屈上はこのような場合、税務署に事前に届け出て5年間申告しないという制度がありますので、そちらを勧める税務署もあるかもしれません。また補助金の場合は原則として課税とされることはありません。
結局結論は同じなのですが、その根拠のすべてに障害者従事割合だけを持ってくる以外の考え方もありうるので、補足しました。
Re: 障害者等を2分の1以上雇用する場合について 投稿者:
山本 投稿日:2010/08/30(Mon) 09:28:58
No.9439
脇坂先生 岩永先生
ありがとうございました。
1点追加なのですが、
来年度より障害者のグループホーム・ケアホーム事業を行う予定です。
こちらはスタッフとして障害者等を雇う予定は無いのですが、
その場合は、グループホーム事業は法人税法上収益事業で、
作業所の事業は税務署に確認したうえで2分の1要件に該当すれば非課税、
という考え方でよいでしょうか。
あくまでこの規定はそれぞれの事業によって判断するということで、
法人全体として2分の1をクリアしていれば
すべての事業が非課税になるという考え方ではないということでしょうか。
Re: 障害者等を2分の1以上雇用する場合について 投稿者:
公認会計士 岩永清滋 投稿日:2010/09/07(Tue) 12:09:00
No.9451
山本さん、岩永です。
事業ごとに判定します。法人全体で判定するのではありません。