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内閣府の設立の認証申請書類の提出から受理までの期間について 投稿者:かっぱ 投稿日:2011/04/04(Mon) 18:31:30 No.9763
初めまして、今月初めに郵送でNPO法人の設立認証申請書類を提出した団体の者です。

書類が届いているか確認するために電話で問い合わせたところ、正式に受理するまで約1ヶ月もかかると言われました。

何でも職員の数が足らないからとのことです。

今までの内閣府で設立された数を見ても申請が月に何100件も来るわけではないと思うのですが、どうも納得いきません。

1ヶ月待って審査がその分早く終わるという訳でもないようです。

受理してから4ヶ月以内という決まりはありますが、受理までの期間を役所の都合でそんなに延ばすようなことをしてもいいものでしょうか?

Re: 内閣府の設立の認証申請書類の提出から受理までの期間について 投稿者:弁護士 浅野晋 投稿日:2011/04/05(Tue) 11:39:22 No.9767
かっぱ さん

 明らかに違法です。認証申請書が提出された場合、所轄庁は「遅滞なく審査を開始」しなければないりません。それを受理することをペンディングにする権限はありません。
 カッパさんのケースは、申請書を郵送したとのことですので、内閣府にはその郵送物が内閣府に配達された日から「遅滞なく当該申請の審査を開始」する義務があります。

 このことに関し、行政手続法第7条は次の通り定めています。

(申請に対する審査、応答)
第七条  行政庁は、申請がその事務所に到達したときは遅滞なく当該申請の審査を開始しなければならず、かつ、申請書の記載事項に不備がないこと、申請書に必要な書類が添付されていること、申請をすることができる期間内にされたものであることその他の法令に定められた申請の形式上の要件に適合しない申請については、速やかに、申請をした者(以下「申請者」という。)に対し相当の期間を定めて当該申請の補正を求め、又は当該申請により求められた許認可等を拒否しなければならない

 この行政手続法第7条の趣旨に関し、神戸地方裁判所平成12年7月11日判決(訟務月報48巻8号1946頁)は次のように述べています。

「行政手続法七条は、『行政庁は、申請がその事務所に到達したときは遅滞なく当該申請の審査を開始しなければならず、かつ、申請書の記載事項に不備がないこと、申請書に必要な書類が添付されていること、申請をすることができる期間内にされたものであることその他の法令に定められた申請の形式上の要件に適合しない申請については、速やかに、申請をした者に対し相当の期間を定めて当該申請の補正を求め、又は当該申請により求められた許認可等を拒否しなければならない。』と規定し、申請が行政庁に到達すれば、行政庁は申請に対する審査、応答をしなければならないことを明らかにしている。右規定は、従前、申請が行政庁に到達したにもかかわらず、行政庁がこれを受理しない取扱いをした上で申請の取下げを求めるなどの行政指導を行い、あるいは処理を遅延させるということがあったことにかんがみ、かかる不適切な運用を改善し、申請に対する迅速、的確な処理の確保を図るために設けられたものであり、右規定の趣旨からすると、申請に対する行政庁の審査、応答義務は申請の到達という事実によって発生し、その間に行政庁の『受理』又は『受理拒否』、すなわち申請を有効なものとして受け取り又は受け取らない行為が介在する余地はないと解すべきである。
 したがって、同法の下では、行政庁の『受理拒否処分』という処分も観念し得ないものというべきである。」
「 前記一説示のとおり、申請に対する行政庁の審査、応答義務は、申請の到達によって発生するものであるところ、『到達』とは、意思表示が相手方の了知し得る支配範囲に入ることをいうものと解される。そして、廃棄物処理法一五条二項によれば、同条一項に基づく許可を受けようとする者は、同条二項所定の事項を記載した申請書を提出しなければならない旨規定されているから、申請書が行政庁の了知し得る支配範囲に入ったときに、申請の「到達」があったと解すべきである。」

 以上の通りですので、上記行政手続法や判例をよく読んで理論武装をした上で、内閣府に対し、①「受理」するしないの権限の法的根拠はどこにあるのか(もちろんありませんが)、②内閣府の取扱は、行政手続法第7条に違反するのではないか、③違反しないというなら、その根拠は何か  という点について質問してみてください。
          弁護士 浅野晋
Re: 内閣府の設立の認証申請書類の提出から受理までの期間について 投稿者:かっぱ 投稿日:2011/04/10(Sun) 18:01:34 No.9782
浅野先生

さっそくご回答いただき、ありがとうございました。
お礼が遅くなって申し訳ありませんでした。

いただいたアドバイスをもとに内閣府に再度電話してみましたが、残念ながら、納得のいく回答は得られませんでした。

行政手続法第7条の話を持ち出したところ、相手方もそれは認めました。
しかし、書類の確認に時間がかかっているので、受理まではお待ちくださいの1点張りでした。

何にそんなに時間がかかるのかと聞いたところ、担当の人数が少ないのと、数が多い上に、何度もチェックをしているからということでした。
また震災の影響でさらに遅れているとも話していましたが、それでも素人が確認するのならともかく、専門の担当者なら、審査ではなく、受理できる状態かどうかくらいなら、1件当たりそれほど時間がかかるとも思えないのですが。。。

また受理の日付ですが、確認に1ヶ月かかったとしても、届いているのが、4月1日なら、その日に受理されたことにならないのかと聞いてみましたが、それはならないとのことでした。

結局のところ、いつ受理してもらえるのか、また人がいないとか体制が整っていないのなら、速やかに受理できる体制をどうやって作るのか聞いてみましたが、なるべく早くやりますということしか答えられませんでした。

これは私たちの団体だけでなく、他の団体のみなさんも同じく待たされている状態ということなので、何とか改善してもらいたいものですが、どうにもうまくいかなさそうです。

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