- 委託事業について - 山本芳輝 2002-04-17 19:46:00 No.986
委託事業について 投稿者:
山本芳輝 投稿日:2002/04/17(Wed) 19:46:00
No.986
精神障害者小規模作業所を2箇所運営するために、障害者の家族と作業所職員で昨年設立したNPO法人です。今年4月より運営母体となっています。
同時に社会福祉協議会の運営する在宅介護支援センターの掃除を委託されました。
作業所の当事者が就労し、作業所の職員とアルバイト職員が指導管理します。職員は理事(理事としては無給)をかねているものもいます。
委託料からは人件費しか出ませんがこの場合NPOの収益事業とするべきでしょうか?
Re: 委託事業について 投稿者:
公認会計士・赤塚和俊 投稿日:2002/04/17(Wed) 20:23:00
No.987
山本芳輝さん
収益事業となるかどうかは契約書の文言によります。下記のような条項が契約書にあれば、
実費精算方式の委託事業に該当し収益事業にはあたりません。そうでなければ、請負業と
して収益事業に該当することになります。
1.「(委託金額は)委託業務の実施に要した実支出額と委託料の限度額のいずれか低い
額とする」
2.「委託業務に要した経費が委託料の額に満たないときは精算額をもって委託料とする」
3.「交付を受けた委託料に余剰金が生じたときは、これを返納しなければならない」
4.「委託料の額に達しないときは、乙と協議の上、委託料を減額することができる」
なお、実費精算方式の委託事業に該当しても、そのことについて税務署長の確認を受けな
ければ収益事業とされますのでご注意下さい。
仮に収益事業だとしても人件費相当額しか委託費が出ないのであれば、実際には赤字でし
ょう。そうであれば法人税は税額は生じませんが、地方税均等割がかかることになります。
また、「請負契約」であれば契約書に収入印紙が必要ですが、「委託契約」であれば収入
印紙は不要(印紙税非課税)である点にもご注意下さい。
公認会計士・赤塚和俊
Re: 委託事業について 投稿者:
沼田 投稿日:2002/04/21(Sun) 22:46:00
No.988
4/17の山本さんの質問の回答の中にありました印紙税について-----?
>仮に収益事業だとしても人件費相当額しか委託費が出ないのであれば、実際には赤字でし
> ょう。そうであれば法人税は税額は生じませんが、地方税均等割がかかることになります。
> また、「請負契約」であれば契約書に収入印紙が必要ですが、「委託契約」であれば収入
> 印紙は不要(印紙税非課税)である点にもご注意下さい。
公認会計士・赤塚和俊
●すみません----
請負契約に,印紙税課税とありますが,ある税理士さんの印紙税解説書で
,NPO法人で定款に利益分配しないと記されていれば,印紙税は課されないとありましたが
これは,収益事業の取引対価領収書に限るものでしょうか? 印紙税の取り扱いが
わかりにくくこまっています。 なにかご教示いただければ幸いです。
わか
Re: 委託事業について 投稿者:
公認会計士・赤塚和俊 投稿日:2002/04/22(Mon) 07:32:00
No.989
沼田さん
NPO法人だから印紙税は課税されないというのは、領収証の場合です。契約
書には、非課税の規定がありませんので課税されます。なお、請負契約であっ
ても、国や自治体は非課税ですので、契約書を2通作った場合、NPOの印紙
を貼った契約書は相手方に、相手方の印紙を貼らない契約書がNPO側に残る
ことになります。以上をまとめると、下記のようになります。
本則 NPO 国・自治体
領収証(第17号文書) 課税 非課税 非課税
請負契約書(第2号文書) 課税 課税 非課税
委託契約書(規定なし) 非課税 非課税 非課税
公認会計士・赤塚和俊
Re: 委託事業について 投稿者:
沼田 投稿日:2002/04/23(Tue) 00:48:00
No.990
赤塚先生
回答いただき ありがとうございました。
よく わかりました。
Re: 委託事業について 投稿者:
公認会計士・赤塚和俊 投稿日:2002/04/17(Wed) 20:30:00
No.991
山本芳輝さん
すみません。ご質問の趣旨を勘違いしたかも知れません。在宅介護支援センターの委託事業
が、法人税法上の収益事業に該当するかというご質問であれば、前の回答の通りです。
そうではなくて、NPO法人の設立申請にあたって、定款に収益事業を行なうことをうたう
必要があるかというご質問であれば、その必要はありません。仮に法人税法で収益事業にあ
たるとされても、NPO法上は本来事業です。
公認会計士・赤塚和俊